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第144話 聖夜 Ⅳ〜side佑吾〜
「ぼ、僕も佑吾の事好きだから…
シタイ事があるんだけど…良いかな⁇」
そう言われて特に深く考えずに頷くと、創が俺の上に乗っかってきて 一気に目が覚めた
「は 創!?」
「佑吾は寝てて良いからね⁇ 僕が全部するから…」
そのままモゾモゾと布団の中に潜って行ってしまい、俺はといえば あたふたする事しか出来なかった
スウェットがパンツごとズラされたかと思えば生温かい感触に包まれ 息を呑んだ
創にこういう事をされるのは、初めての時以来で 未だに慣れない
「…ん」
柔らかい髪を撫で 与えらる快感に目を閉じた
勿論俺も男だし、こういう事をされるのは嫌いじゃない
でも 一体誰に仕込まれたのかという思いを巡らせると堪らなく苛々した
快楽と憎悪が同時に沸くこの複雑な気持ちは、込み上げてくる射精感で 何とか霞んでいる様に感じた
「ん…ごめん 創…イきそう」
柔らかい唇と舌の愛撫に 絶頂の兆しを伝えるとチュッと音を立てて 創が俺から口を離し、布団の中から顔を出した
「…佑吾」
頬を赤く染め 呼吸が荒くなっている創の色気は 凄まじいものがあって、御預け状態の俺は ゴクッと生唾を飲み込んでいた
「…ん…あ…」
更に目の前で創が可愛らしい声を上げ始めたのにギョッとした
だって俺の手は 創に触れていない
創の細い腕を辿ると 自分で解している事が分かり、その厭らしい姿に 堪らずむくりと体を起こした
「…佑吾⁇」
華奢な身体を抱き寄せ、濡れそぼっている其処に手を伸ばした
「あ!! ダメ!! 今日は…ん!!僕がするって…い、言ったのにぃ…」
弱いトコロを重点的に攻めれば 俺の服を掴みながら額を肩につけ、嫌々と弱々しく首を横に振っている
「ん…創の気持ちは すっごく嬉しいんだけど、コレだけは 俺にさせて⁇」
「…あ…ゆ…ぅ…ご…」
ぐちゃぐちゃと粘着質な音が響き出したのを見計らい、創の腰を浮かせて 限界値に達している自分自身の先端を当てた
しかし 挿入しようとした矢先に、俺の体は創の手によって元の位置に倒されてしまった
「ダメ!! 佑吾は寝てて!!」
「…はい」
流石にこんな状態では寝れないよ 創…
と 心の中では思ったが、涙目で一生懸命な創を前にしたらそんな事は口に出来ない
「う 動かないでね」
「はい…」
ゆっくりと腰を下ろす動作に もどかしさが募る
細い腰を掴みたかったが 添えるだえにして何とか堪えた
「…ふ…あ……佑吾…気持ち⁇」
「…ん…気持ち良いよ」
創は俺のモノを根本まで呑み込むと、顔を真っ赤にしながら ゆるゆると動き出した
「…っ」
最初こそ物足りなさもあったが 段々激しくなるグラインドに、先程出せなかった熱が放出させてくれと集まり出していた
「…創…イキそう」
強請る様に白い腰を撫ると 創がにこりと笑った
「嬉しい…佑吾の好きな時に イッて⁇」
両手を絡め ギュッと握られたかと思うと、搾り取る様な動きに 俺は呆気なく達してしまった
「あ…佑吾の…いっぱい出てる…」
可愛い顔と声で何とも厭らしい事を言う創を強く抱き締めた
「…創」
「佑吾…好き…」
言おうした事を先に言われてしまい、一瞬面食らってしまったが 心の底から込み上げてくるモノを伝える様に何度も短いキスを繰り返した
「俺も 好きだよ…」
俺の言葉に 本当に嬉しそうに微笑んでくれる創
そんな顔を前にした俺も きっと似た様な表情をしていたと思う
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