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第146話 面影 Ⅱ

通された部屋には お仏壇があって、飾られている写真の女性は 佑吾と蓮さんによく似ていた 「創もお線香あげてもらえる⁇」 「うん」 手を合わせた後、佑吾は僕の事を見せる様にそっと背中を押してくれた 「母さん、この子 俺が番になりたいって思った子  創って言うんだけど、すごく良い子なんだ」 「…佑吾」 恥ずかしかったけど すごく嬉しかった 写真に写し出されている笑顔は 佑吾と同じ笑い方で 胸の真ん中が温かくなる 「うちね、α同士の結婚だったから母さんが出産してくれたんだけど、あまり体が丈夫な人じゃなくてさ… 蓮が5歳の時に 亡くなっちゃったんだ」 「…そうだったんだ」 佑吾の事をまた一つ知る事が出来て嬉しかった それと同時に、佑吾は僕の過去の話を一切追求しないでいてくれてるけど、それじゃダメだって この時強くそう思った

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