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第167話 片影 Ⅱ
「蓮様、少しお会いしない間に 背がすごく伸びられましたね」
「ん…今 兄さんと同じ位かな」
「そうですね」
横に並んだ感じが 本当に佑吾様と同じで、なんだか変な感じがする
正直 懐かしさに少しだけ胸が熱くなった
「佐倉は顔が小さいから身長ある様に見えるけど、意外と低いよね」
「こ、これでも175はあるんですが…
佑吾様や蓮様からしたら小さいですよね…」
Ωにしては背丈には恵まれた方だと思っていたが、そういう事を言われると心臓が冷える思いがする
「でも 佐倉にはそれ位が合ってると思う」
「本当ですか⁇ ありがとうございます」
「…うん」
たわいない会話の後 エレベーターに乗りこめば、その後は無言になってしまった
横目でチラリと蓮様を見上げながら、初めてお会いした日はまだ小学生だったのを思い起こして、時が立つのは早いな…なんて年寄りじみた事を考えていた
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