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第172話 恩義

「佐倉 お前また契約取れたんだって⁇ スゴイじゃん」 「ありがとうございます」 仕事は恐いくらい順調だった 契約は面白い位取れたし、上司や同僚ともそこそこの関係を築けていた そして入社して半年が経った頃 先輩が交通事故で一カ月程入院する事になり、その仕事を引き継ぐ様に言われた 大きな仕事で多少のプレッシャーもあったが楽しみの方が大きくて、毎日遅くまで会社に残っても全く苦にならなかった 夢中で仕事をしていく内に、そのプロジェクトの取引先との会食に参加する事になった 社長同伴と言う事ですごく緊張したのを覚えている 「やあ、君が佐倉君か 今日はよろしく」 入社式以来の社長は相変わらずスマートなジェントルマンで、自分の名前を知ってくれている事にとても感動した 「よ、よろしくお願いします!!」 何としても成功させてやる しかしそんな思いは 見事空回りするはめになるのだった

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