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第177話 慕情 Ⅱ

「…はぁ」 深い溜息を吐き出した後、眼鏡をかけ直し、車を発進させた 蓮様の姿に昔を思い出したり、眼鏡の事を指摘されて動揺したり、自分の愚かさに呆れしかない もっと しっかりしなくては… この気持ちは 一生誰にも言わないと決めたんだから 自分自身の気持ちに蓋をしたあの日から、決して開かない様にその蓋をキツく閉めたんだ 絶対に漏れる事があってはいけない 改めてそう自分に言い聞かせ、アクセルを踏んだ

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