201 / 234
第201話 機宜
久し振りにに早目の時間に昇降口に向かうと、創がパタパタと息を切らして走って来るのが見えて 咄嗟に声を掛けた
「創⁇ どうした⁇」
「あ!! 蓮さん!! 実は…」
事のあらましを聞いた俺は、この機会を逃したくなくて 創の肩にポンと手を置いた
「なるほど
じゃあ、俺から佐倉に伝えておくから 創は友達の所戻りな」
「え⁇ でも…」
「俺、丁度佐倉に用事あるんだ だから…ね⁇」
誤魔化したくて笑顔を作れば、創はくりくりした目を更に大きく見開いて俺を見ている
「…あ…じゃあ…お願いします」
「ああ 任せとけ」
俺は 創から佐倉に会う権利を奪い取ると急いで靴に履き替え、小走りで佐倉の元へと急いだ
ともだちにシェアしよう!