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第207話 警醒 Ⅱ

「僕…こういう所初めて…どうやって注文するの⁇」 創のこの一言に皆が一斉に振り向いた うちの学校は割と裕福な家庭が多いし、創と同じ様に登下校は車の奴もいるけど、それでもこうやって友達同士で遊びに行く事もあるから、ファストフード店に行った事無いって奴は俺の周りにはいなかった 正直、今日は創に驚かされてばっかりだ 「マジで!?」 「俺はこれが好き」 「あとこれはー」 皆が張り出されたメニューの前で創に説明をすると、そんなに真面目に聞かなくてもとツッコミを入れたくなるくらい 創は何度も頷いている 「教えてくれてありがとう  僕、注文してみるね」 そう言ってレジの前に進んだ創の後ろに立ちながら、その様子をヒヤヒヤした気持ちで見つめた この気持ちは弟達の初めてのおつかいの後をつけた時と同じ気持ちだと思う 無事注文を終えて席に着いても、自分達が食べるよりも創の反応が気になってしまい、皆で固唾を飲んで見守ってしまった 創はガサガサとハンバーガーの包み紙を開き、小さな口でかぶり付くと 次の瞬間 パッと顔を上げた 「美味しい!!」 その言葉にホッと胸を撫で下ろした俺達は自分達も続々と食べ進め、なんて事はない話で大いに盛り上がったのだった

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