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第213話 誤想

「佑吾…遅いな」 先に家に帰る様に言われてリビングのソファに座ってから結構な時間が経っていた 榎戸先輩とどんな話をしているんだろう… どうしても不安で近くにあったクッションを掴んだ時 ドクンと身体中の血液が熱くなる感覚に手に持ったクッションを床に落としてしまった 「…あ……う…」 こんな時に発情期が来るなんて、つくづく神様は意地悪だと思った 早く抑制剤を飲んで落ち着かせないと佑吾に変な勘違いをされそうで嫌だった 「…鞄」 震える手で鞄を開け、ケースから薬を取り出すと何とか口に含んで飲み込んだ ホッとしたのも束の間 玄関の開く音にサッと血の気が引いた 自分自身のフェロモン量なんて分からないけど、この体の感覚からしてまだ治りきっていない事は明らかだ ただ焦るばかりでどうする事も出来ずにいるとリビングのドアが開き、中に入って来た佑吾は僕の事を信じられないといった目で見ていて、その表情に勝手に涙が溢れてきた 「…発情期⁇」 「あ あの…ちが…」 明らかに怒っている様子の佑吾に上手く言葉が出て来ない そんな僕を見て佑吾は小刻みに震えている 「違くないだろ!? そんな状態であんな奴の車になんて乗るな!!」 いつもと違う声色にビクッと身体が跳ねた 佑吾は大きな歩幅でソファーまで来ると、僕を抱き抱えて寝室の扉を乱暴に開けた 「ゆ、佑吾!!」 恐い… 初めて佑吾にその感情を抱いてしまった ドサッとベッドの上に降ろされ、引きちぎる勢いで服が脱がされていく 「や、やだ!!」 咄嗟にそう叫ぶと佑吾はピクリと眉を動かたかと思うと、α独特のオーラを放っていて、それにひれ伏すかの様に僕の喉がゴクリと鳴った 「…嫌なの⁇」 「…あ…あの……お…お話…したい」 何とかそう告げるも佑吾はフッと笑って僕の手首を強く握り締めた その力に顔が歪んでしまったのが自分でも分かる 「創が何も話してくれないんだろ⁇  俺いつも言ってるよね⁇ 怒らないから何でも言ってって…  それなのに、何でアイツが知ってて俺が知らない事があるわけ⁇」 「…あ」 きっと榎戸先輩からこの前の話を聞いたんだと思って、その先の言葉が出て来なかった 言わなかったのは余計な心配を掛けたくなかったのと関わるなって言われていた榎戸先輩に助けてもらった事がすごく言いにくかったから 「…ご、ごめんなさい…僕…んんん!!」 続きの言葉は佑吾に胸の敏感な部分を触られた事で喉の奥に引っ込んでしまった 「あ!! ゆ、佑吾!!」 ジュッと音を立てて吸われて耳からも犯されている感覚にまだ熱を持っている体が反応し始めていた ズボンとパンツを同時に脱がされ、その体勢の延長の様に腰を高く持ち上げられた 佑吾の顔の前に自分の性器があってカーッと体温が上がっていくのを感じる 「…や…この格好…恥ずかしい」 「創のイヤラシイ所全部見えるもんね⁇  ほら すごいよ⁇ ココもコッチも…触っただけで溢れてくる…」 「あ!!やぁ!!」 佑吾の言葉通り 竿を擦られたり 舌を這わされたりする度、とろとろと液体が垂れていくのが自分でも分かった もう薬が効き始めても良い時間帯な筈なのに、そんな事は御構い無しで僕の体はピクピクと反応していく 「んんん!! ああ!! や…イッちゃう!!」 「良いよ…ほら」 佑吾に手の動きを早くされて、呆気なく達してしまった 僕の出したモノがそのまま体にかかって気持ち悪い やっと体が水平に戻されたかと思うと佑吾は飛び散った白濁液を舐め取りはじめて、その行為に敏感な体がまた反応していく 「んあ!!」 何とか快感から逃れたくて枕にしがみつく様に体を捻ると腰を強く引き寄せられた この体勢が何を意味するのかなんて勿論分かっている 恐る恐る後ろを振り返ると佑吾はコンドームの袋を口で千切っていた 「…ゆ…佑吾」 いつもと違う…怖い…こんなの嫌だ… 僕が悪い事は分かっていても涙がポロポロと零れた 「…俺の事…嫌⁇」 佑吾はいつもの様に指で僕の目元を拭いてくれた 良好になった視界の先で佑吾が泣きそうな顔をしているのが見えて、その表情に胸の奥がズキンと音を出して僕の中で響き渡っていく 「…あ」 大好きな人を傷付けてしまった 僕はイケナイ事をしてしまったんだ そんな思いに駆られた僕はこれで佑吾の気が少しでも晴れるならと思い、首を左右に大きく振った その直後にお腹の奥まで一気に挿入されて目を見開いた 「うぅ…く!!」 「…創」 腰を打ち付けられながら、ギュッと枕にしがみついた 余計な事を言わない様に顔を埋めていると項がペロッと舐められた事にビックリしてしまい、思わず声を上げてしまった 「んあ!?」 「…創…創…」 ピチャピチャと音を立てながら舐めたり吸われたりして頭がボーッとする もういっその事 噛み付いてくれたら良いのに… 「いう!?」 そんな事を考えていたら肩甲骨に歯を立てられた でも直ぐにまたそこもぺろぺろと舐められて、ズキズキした痛みが若干和らいでいく 唇が離れたかと思うと両腕を後ろに引かれて、深い所を何度も突かれれば僕の方がまた絶頂を迎えてしまった それでも止まらない行為に生理的な涙がボロボロと溢れてくる 「ああ!! 佑吾!! もう…ぼ…く…頭 オカシクなっちゃう!!」 「寧ろ…そうなってくれたら良いのに…」 そんな佑吾の呟きは僕の耳には届いていなくて 身体を揺さぶられ続けた僕は、佑吾がイク所を確認しないまま意識を手放してしまっていた

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