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第214話 哀痛
「…う……ん…」
重たい瞼を開けると背中に佑吾の温もりを感じた
耳元ではスースーと寝息が聞こえる
体は佑吾の腕と足でしっかりホールドされていてあまり身動きが取れない
「…お風呂…入りたいな…」
体がベタベタして気持ち悪い
佑吾を起こさない様に慎重に腕から順番に抜け出るとペタペタと歩いてお風呂場に向かった
「痛!!」
シャワーを頭から浴びると背中に鈍痛を感じて思わず声が出た
そういえば、噛まれた気がする
重い腕を上げながら頸を撫でても其処に期待しているモノは無かった
自然と流れてきた涙を誤魔化す様に顔を洗い、脱衣所でパジャマを着ると自分の部屋に向かった
ベッドに倒れ込むといつもとは違う匂いにまた涙が溢れ、声が漏れない様に枕に顔を押しつけた
「…ふ…うぅ…」
こんなに近くに居るのに佑吾を遠くに感じる
結局僕はここから 一睡もする事が出来ず 、そのまま朝を迎えた
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