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第216話 哀痛 Ⅲ〜side佐倉〜

何かあったんだろうか… 車内は明らかに重い雰囲気でいつもと違っていた しかし自分なんかが口を開ける筈も無く、いつも通り校門前に車を停めた 「…行ってきます」 「行ってらしっしゃい…薬 絶対忘れない様にね」 「はい…」 会話から察するに創様に発情期が来た事は想定出来るが、何故こんなに気まずそうなのかが分からない やはりαの方からすると発情期は煩わしいモノなのだろうか… 「佐倉 おはよう」 そんな事を考えていたら後ろから蓮様に挨拶をされて危うくクラクションを鳴らしてしまう所だった 昨日の事が頭を過ぎり、どうしても振り返る事が出来ない 「…おはようございます」 それだけ言うのが精一杯でドアが閉められてホッと胸を撫で下ろすと車を発進させた 今日は佑吾様のお顔もまともに見る事が出来なそうで、そんな自分がとても嫌だった

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