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第220話 阿鼻叫喚 Ⅳ〜side蓮〜

「松岸  俺、創を保健室に運んで来る」 「うん 分かった」 「あと 創の…友達の…」 「あ、日向 健です」 「日向  創は体調悪くて保健室だって先生にそう伝えておいてくれ」 「はい」 よしと思い、保健室へと創を抱いて歩き始めた 創はボーッとしていて、未だに涙が頬を伝っている 何があったのか聞くのは俺の役目じゃない この後 兄さんに連絡をする 俺の仕事はそこまでだ 保健室のドアを開けて直ぐ目に入った人物に自然と眉間に皺が寄る 「授業はどうした 榎戸」 「先輩こそどうしたんですか⁇  先生なら留守みたいですよ」 榎戸はそんな質問をしておいて俺が創を抱えている事に直ぐ気付いたのか、ソファから立ち上がると直ぐそばまで歩み寄って来た 「創!? どうかしたんですか!?」 榎戸が創に触れようと手を伸ばした瞬間、創はビクッと大きく震え、また俺にしがみついてきた 「や!! やだ!! やだ!!」 「触るな やっと少し落ち着いたのに…  手が空いてるならそこのカーテン開けろ」 珍しく凹んでいる様子の榎戸は素直に俺の言う事に従い、窓から一番離れたベッドのカーテンを開けた 「…創…そんなに俺の事、嫌なんだ」 「…別にお前がという訳じゃないだろうし、俺が良い訳でもない」 「え⁇」 榎戸の疑問には答えず、創をベッドに横たえると大きな青い瞳から流れる涙をそっと拭ってやった

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