「創〜⁇」 扉が開く音と榎戸先輩の声に横たえていた体を起こした 先輩はにこやかな顔付きで僕の方に来てくれて､怪我も何もしていない事にホッと胸を撫で下ろした 「…あ…あの」 「確かに不審なおっさん居たからさ､取り敢えず一発殴っておいたよ」 先輩の言葉にギョッとしてしまった 僕にとって絶対的支配を強いていた人を殴ったなんて､とても信じられなかった 「詳しく聞く気もないけど､何かあったんだろ⁇ 　これで諦めてくれると良いんだけど…」 そう言って優しい笑顔で先輩は僕の頭を撫でた 僕の為にそんな事をしてくれて申し訳ないと思いながらも伸ばされた手首を掴むと､そっと自分の頭から離した 「先輩 ありがとうございます 　でもごめんなさい…もう僕にこんな風に触らないで下さい…」 「…昨日 佑吾さんに怒られちゃった⁇」 先輩の問い掛けに俯きながら首を左右に振った 「…いえ､僕が佑吾以外の人に触って欲しくないんです」 「…ねぇ 創､それってさ」