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第227話 深意 Ⅱ〜side佑吾〜

来客用の玄関口から校舎に入ると保健室へと急いだ 早く創の姿を確認したくて小走りになってしまう 「…ねぇ 創、それってさ…本当に創の本心なの⁇」 ドアに手を掛けようとした時、中からそんな声が聞こえてきて開けるのを躊躇してしまった 「…え⁇」 正直 また彼奴が創にちょっかい出してるのはかなり気に食わない が、それよりも問い掛けの内容が気になり過ぎて悪いとは思いながらも立ち聞きの状態になってしまっていた 「辛い時に優しくされて、人としての好きと愛情の好きがゴッチャになってない⁇  佑吾さんは創を選んだかもしれないけど、創は佑吾さんを選んだ訳じゃないでしょ⁇」 昨日 だから何だと突っぱねた質問を創自身にされて無意識に奥歯を噛み締めていた 創の返答が恐くて握り締めた手の中に汗が滲んでいる 「そんな事ありません  僕はちゃんと佑吾を選びました」 創の声に俯いていた顔を上げた 瞼の裏が熱くて喉の奥が痛い 創はちゃんと俺の事を考えてくれている… 「佑吾だけが僕に選択肢をくれました…本当に…佑吾だけが…」 「…創」 震える声に愛しさが込み上げてきて、気付いた時にはずっと開けれずにいたドアを引いていた 「佑吾!?」 「…創」 昨日の今日でこの状況をマズイと思ったのか、創は慌てふためいている でも俺はそんな事には構わず、華奢な身体を抱き締めた 「大丈夫⁇ 辛い時に傍に居ないくてごめん…  後でゆっくり話聞くから、取り敢えず今日は家に帰ろう」 「佑吾…」 創は小刻みに震えながらも俺のジャケットをギュッと握ってくれた 「…うん…か…帰る……お家に…帰りたい」 泣きじゃくる創の頭を撫でながら、少しだけ顔を上げて目の前に居る奴を見た 昨日とは少し違う 悔しさの中から滲み出る切なさの様な雰囲気を纏っていて、色々言ってやりたい事が沢山あった筈なのに、俺の口からそれ以上言葉が出る事は無かった

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