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第228話 深意 Ⅲ

「…創」 呼ばれて榎戸先輩の方を振り返ると先輩はいつもと全然違う表情をしていた 「…本当に只優しくされたから好きなだけじゃないの⁇」 そう訊かれて今までの佑吾との事を思い返した 最初は佑吾の優しさに戸惑いしかなくて、どうしたら良いのか分からなかった事 ご飯に味を感じた事 人の体温を温かいと思えた事 本当の名前を呼んで欲しいって思った事 離れたくないって思った事 「…優しくされて、その人の事を好きになるのは何かいけない事なんですか⁇」 「…いけない事じゃないよ⁇  たださ、その相手が例えば俺だったとしても創は同じような感情を持ったんじゃない⁇」 「…それは」

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