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第232話 心憂 Ⅱ〜side健〜

「お疲れ様でしたー」 部活後 片付けを終わらせ部室に戻ると汗だくの道着から制服に着替え、荷物を詰めようと鞄を開けた時「あ!!」と大きな声を上げってしまった 周りにいた奴らは何事かと俺の事をギョッとした顔つきで見ている 「明日提出の課題 教室に忘れた…」 深く息を吐くと皆に先に帰ってと告げ、一人校舎へと向かった 中庭に差し掛かった時 校舎への窓ガラスが開いているのが見えて、近道が出来ると思った俺は迷わずその中へ足を踏み入れた 「…ふ……うぅ…」 誰かの啜り泣く様な声に思わず辺りを見渡した 小さな声を探りながら誘われる様に足が動く そして少し奥まったベンチの脇で蹲っている人影を見つけた ピンク系の茶髪が色とりどりの花の中でとても映えている 「…松岸先輩⁇」 俺がそう声を掛けるとビクッと肩を震わせながら先輩はゆっくりと此方に振り返った その時 少し強めに風が吹いて周りの花びらがまるで映画の様に舞った そんな中に佇む姿は正に花の妖精という言葉がピッタリで、少しの間その姿に見惚れてしまっていた

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