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第20話

「あっ、あっ……やっ、やだっ、んっ……」  発情して感覚が敏感になっているクレエの身体は胸を刺激するだけで身悶え、下肢を先程からモジモジとくねらせている。  その下半身を隠している衣服を足を使って下ろすと「あっ」と声を上げて慌てて陰部を隠そうとするクレエの手を掴み、ベッドに縫い止めた。 「やっ、見るなっ……レストっ……」  クレエのそこは既に芯を持って立ち上がり、その小さな窪みからは透明の汁が染み出していた。  レストに自分のモノを見られ、羞恥で今すぐ逃げ出したいのに、そこをじっと見る視線に興奮している自分もいて戸惑う。恥ずかしいのに、もっと曝け出したい。もっと暴いて欲しいと願ってしまう。  好きな相手を前に発情するとこんなにも自制が効かなくなるなんて、恋とはなんて恐ろしいのか。これまで本気で好きだと思える相手に出会わなかったから知らなかった。クレエに許されている限られた自由の範囲では、恋をすることも番を持つことも到底無理だと最初から諦めていたから。  一生、独り身でいる方がいいのだろうと思っていた。王家にこれ以上、Ωの血を残さない為にも。自分のような名ばかりの王子が二度と産まれない為にも。  どんなに両親や兄に大切にされていても、いつも孤独を感じていた。たくさん勉強をして、剣技や武術、弓や槍を扱えるよう練習し、人前に出ても恥をかかぬように礼儀作法を完璧に覚えた。どこに披露する訳でもないのに。  それでもいつか、身につけたことが役に立つと信じていた。Ωでも国の為に戦えると。  これまで心を折ることなく前向きでいられたのはレストが居たからだ。見ず知らずのΩを対等に扱い、側にいることを不快だと思わず、騎士ではない本来の素の姿で接してくれたレストがいたから。  彼に初めての恋をしてから、この世界でΩとして生きる事に希望が持てた。  ああ、こんなにも、好きで好きで、愛おしいなんて。

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