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第26話

「クレエ……っ」  切ない声で名前を呼ばれると後孔に異物が入った感覚があった。それは中で膨らみまるで蓋をするかのようにそこから抜けなかった。同時に奥の方にレストの欲が弾け出された。ドクドクと脈を打ち大量に出された熱にクレエも昂りを止められず吐精した。  しばらくレストに身体を抱きしめられたまま、精が中に注がれるのを感じていた。レストの背中に腕を回し、人間とは違う毛の感触に背中を上下に撫でた。 「レスト……」  まだ足りないと、本能が求めていた。初めて身体を開くというのに、一度出されただけでは満足しない性欲にはしたなく思う反面、これが本来のΩの性なのだから仕方ないとも思う。 「レスト……オレ……まだ……」 「ああ……まだ、匂いもおさまってない……まだ……」  中に入ったままのレストの熱はおさまることなく硬く、達して敏感な中を堪能している。  どちらから出されたフェロモンなのかももう嗅ぎ分ける事は出来なくなっていた。一つになった匂いが互いの思いを膨らませ、離れたくないと爪をたてて掻き抱き口付け合う。  ずっと一つになったままで朝など来なければいいのにと祈る。  後ろから突かれて背を弓なりに反らしている時も、膝の上に座らされ胸の粒を攻められながら下から突かれている時も、快感で意識が朦朧として射精した直後に意識が真っ白になった時も。  その狼の獣人は疲れなど微塵も感じさせないで、理性を飛ばしてクレエを求め続けた。達する度に脱力していくのに、身体は回数を重ねる毎に敏感になり意識を失うまで声をからしながらイき続けた。最後の方は出すものもなくなって身体だけがビクビクと痙攣していた。  これが発情したΩと、人間よりも性欲の強い獣人との営みなのだと散々記憶にも身体にも刻みつけられた。  意識がなくなる間際、早く番になってこの獣人を自分一人だけのαにしたいと強く思った。

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