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第11話

囲まれたまま未だ表立って動きがないことから夜明けと共に突入してくるのかもしれないとロッドは言う。 朝に襲う理由として夜では耳と鼻が利くロッドの方が有利であることと早朝であれば目覚めたばかりで頭も冴えていないだろうという推測だ。 「どうするの?」 ロッド曰く屋敷が包囲されているため見つからずに逃げることは困難だと言う。 だから 「私が相手を引き付けている間にお前は逃げろ。 例え捕まったとしてもお前はただの被害者だと思うだろう。」 「そんな!!嫌だ!! ロッドと一緒にいる。 なんとか逃げられるよ。 だから、一緒に居させて……。」 ロッドを置いて自分だけ素知らぬ顔をして逃げるなんて絶対に嫌だった。 しかし現実的に考え逃げられるとも思えない。 こうしている間にも外は段々と白んできた。 すると外から人の声が聞こえた。 「野獣よ、聞こえるか? 我々は人を食らう貴様を退治にやって来た。 人々を恐怖に陥れるお前を我々は許さぬ!! 投降するなら今の内であるぞ!!」 やはりロッドを襲う気だ。 もう一刻の猶予もない。 「ライ。」 「嫌だ。」 それでも一人で逃げることを拒むライを抱き締めた。 「聞いてくれ。 私はお前を傷付けさせたくない。 失いたくない。 初めて人を愛おしいと、思ったんだ。」 今まで一度だって本気で誰かを愛したことはなかった。 こんな姿になって初めて周りに誰もいない寂しさに気付き、人のぬくもりがこんなにもあたたかい物なのだと知った。 「これは人を殺めてきた私への罰だ。 分かってくれ。」 「嫌だ!!嫌……。」 ライにとっても初めて自分を愛してくれる存在で初めて愛した存在だ。 絶対に諦めたくなかった。 だからどうか、神様が存在するなら願いを聞いてください。 ロッドを助けて___

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