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第12話

「ふむ、応答無しか。」 屋敷の外で待機しているロッドを討ちに来た兵達は遂に決断を下す。 「3つ数えたら突入だ。 行くぞ!!3……2………」 一気に緊張が頂点に達する。 「1……」 突入の合図が出るその瞬間だった。 ゆっくりとドアが開かれた。 誰かが出てくるのが分かり兵の長は待てと兵を制した。 野獣が出てくるのかと皆固唾を飲んだがそこに現れたのはの青年だった。 一人はまだあどけなさの残る10代の子供のように見える。 そしてもう一人は成人で艶やかな黒髪をした美しい男性だった。 二人は両手を上げ敵意が無いことをアピールしている。 「我々は野獣に捕らえられている者だ。 今野獣は屋敷の奥にいる。」 「俺達は野獣の隙を見てここまで来ました。 どうか早く野獣は退治して下さい。」 二人の言葉を信じた兵達は長の合図を確認すると一斉に中へと突入していった。 二人は数人の兵に連れられ安全な場所へと移動する。 「もう大丈夫だ。 野獣は我々がやっつける。」 「ありがとうございます。」 そして兵士は屋敷の中を確認しようと二人から目を離しもう一度二人の様子を見ようと振り返るとそこには誰もいなかった。

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