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第41話〜意識〜

彼はもう殺る気だ。 でもどうしてちさ兄は相手を挑発するような言い方をしたのか謎だった。 でもそれはすぐに分かる。 「…ぇ、あッ…」 僕の腹部に強い痛みが走る 彼が包丁で刺そうとした時、なんとちさ兄は僕を身代わりにしたのだった。 「…ぇっ。 み、南…様…?」 どうやら彼は僕を様付けしているあたり、恨んではいないのかな… 「〜〜〜貴ッ様ァ!!! 実の弟を身代わりにするとはなんという事だ!! あぁ、俺は南様になんてことを…! 南様は何も悪くないのに…」 「そんなの知らないよ。そもそも包丁持っていたあんたが悪いんだし僕悪くないよ? それに南は弟じゃないから大丈夫。ただの性奴隷〜」 「〜〜お前が死ねばよかったんだ!!お前が!!!」 「うるさいなぁ、お前騒がしすぎ。 そのナイフで喉を刺せば黙るの?ん?」 2人がそんな会話をしてるけど今はそんなことどうでもいい 誰か救急車を呼んでほしい… いや、無理か。 僕を刺した彼は連絡すれば捕まってしまう ちさ兄も僕のことがバレると困るだろう ここで死ぬのかな… すごく短い人生だった でも最後は、ハルと居たかったな… でも、僕がいたからこんなことになったのかな 僕がいなければ彼の恋人も死ぬことはなかった 僕がいなければ藍川家は平和だった 僕がいなければ… 僕がいなければ… 瞼が重い 意識が薄れていく 早く 誰かお願い まだ生きたいの もっとハルといたいの だから、だれか救急車を…

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