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第52話〜2〜

「ちょっと晴〜! 由理花ちゃん、晴に関わる人みんなに牽制してるっぽいんだけどー?」 「……は?」 奏斗の言っていることは信じたくなかったが、俺の兄弟から由理花の話を聞いたばかりだったので、すごく戸惑ったし信憑性が高かった。 とりあえず俺は奏斗の話を詳しく聞いた。 奏斗の知り合いが俺と話した後、どうやら由理花に呼び出されてある事を言われたらしい。 まとめるとこう ・私の晴くんに近づくな ・今後晴くんに関わるなら個人情報をすべてネットにばらす、と。 そう言われてみんな俺に関わらなくなったというが……… 俺の知らない間にそんなことが行われていたなんて知らなかった。 いや、由理花は知られないようにしてたのか。 そして昨日 奏斗が由理花に呼びされて脅された。 「俺思うんだけど、晴はこのまま由理花ちゃんと付き合って幸せになれるのかな…。 最近の晴、全然笑わないよ? なんかつまんなーい」 奏斗に言われて気づく。 そういえば俺、最後に笑ったのいつだっけ…… 奏斗の言葉は俺を思っての言葉だし一理ある。 恋人って、片方が欠けたらなれないものだし、2人が幸せで成り立つものだと俺は思う。 ………これは潮時かな。 「晴くん、私を呼ぶなんて珍しいね。どうしたの?」 「俺たち別れよう」 由理花の笑顔が崩れるのが分かった。 「な、んで?なんで?ねぇなんでなの?訳わかんないよ。」 「俺の関わる人みんなに牽制してそれでいいと思ってんの?」 俺の言ってることがわかったのだろう。 ぴくりと身体が動いた。 「今まで呼び出した人教えて。 一緒に謝りに行こう。 これが俺とお前の最後だから。」 「ッッ……ふぇ、ッいやぁ!別れたくない!! そもそも晴くんに色目使うのが良くないのぉ!」 堪忍袋の緒が切れた。 俺は力は抜いたが由理花の頬をビンタしてしまったのだ。 「由理花!何甘い事言ってんだよ! お前がやった事は脅迫罪っていう立派な罪なんだぞ!??」 そう言って少しすると由理花は覚悟を決めたらしく、今まで迷惑をかけた人全員に頭を下げに行った。 幸いみんな訴えるとまではいっておらず何とかなったが、もし由理花が訴えられていたら俺は庇いきれなかっただろう。 そして俺と由理花は別れたはずだった。 でもまさか病院で再会するなんて誰が思うだろうか。 あの時もっとこうしてれば、とかいっぱい思うことはある。 でもそんなこと思ってももう遅い。 今できることは南が傷つくことなく、今後一切由理花とは会わないことだ。

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