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第64話〜2〜

「…ふぅ」 「あれ、南もうお腹いっぱい?」 「ぅーん、ちょっとだけ…」 夕食を食べてた南だが、途中で音を上げた。 皿を覗いてみると後2口か3口くらいだ。 「もう頑張れない?」 「うぅん…」 渋るな… なら… 「はい、あーんしてあげるから頑張ろ」 「………がんばる」 モチベーションが上がったであろう南。 こういう素直なところも可愛い。 「よし、これで最後だぞ」 「うん」 「はい完食〜 えらいえらい」 南の頭を撫でてやる。 するといつもなら嬉しそうにする南だが、今日は何故かぶすっとした顔になった。 「僕…これでも17歳だよ」 なるほど。 子供扱いが嫌だったのか。 でも俺からしたら南は充分子供で充分可愛らしい少年。 けど今回は俺が悪かったとわかる。 俺も子供扱いされるのが好きじゃない。 なのに俺は自分がされて嫌なことを南にしてしまった。 反省しよう。 「ごめんな、南。俺が悪かったよな」 「…じゃあちゅーして」 「ふふ、仰せのままに」 なんだか前より自分を出すようになった南。 それが南の成長に見えて嬉しい。 南の口に軽くキスをする。 「さっきのは…?」 フレンチ・キスのことか… 「退院したらね」 「でもさっきしてくれた…」 頬を膨らましはじめた… こういう所が子供っぽいのだと思うのだが… まぁ、言わないでおこう。 「楽しみがある方がいいでしょ? それに早く退院したくなるからね」 「…そっか! じゃあ我慢する……でも約束ね!」 「うん、約束」 機嫌を取り戻した南はまたニコニコと俺に話しかけていて、南の癒しパワーで俺は今までの疲れが一気に取れた気がした。

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