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第83話〜2〜

「ハル、みんなあそこに入っていってるけど何があるんだろ…」 「行ってみる?」 「ッうん」 手をつないでいた俺たちだが、南が力を込めたのがわかった まぁあれは中から魚が見えるトンネルなんだけど… でも南があまりにも真剣で可愛いので黙っておく 「わぁ…!」 トンネルに入った瞬間南は1度立ち止まった だがまた歩き出すと魚を見に、少し早歩きになった 「はっ」 「南?」 「僕、気づいちゃったんだけど…」 なんだろうか さっきまでキラキラ輝いてた顔が今はすごく真剣だ 「大きいお魚さんや小さいお魚さんがいるけど…」 「うん?」 「小さいお魚さん食べられないかな…」 「ぶっ」 とうとう俺は耐えきれなくなり吹いてしまった 当然南は疑問に思っている 「ふっ、いや、なんでもない。気にしないで」 「そう言われると気になっちゃうんだけど…」 「大したことないよ」 俺が頭を優しく撫でてると膨れてた南の頬はだんだんとまた元に戻っていく すると近くを通った家族の声が聞こえた 「ねぇねぇ!1時からのイルカショーに行きたい!!」 「ふふ、いいわよ」 「やったぁ!」 通り過ぎて行った家族を南はまだ見つめている 家族……… 南の家族は、今…… 時計を確認すると今は12時45分 俺は気分を変えるべくイルカショーに誘った イルカショーの会場に着くと客は沢山いたが満席という程でもなかったのでほっとする だが皆水に濡れたくないのか水しぶきが飛ぶ場所には殆どいなかった でも俺にっては好都合 誰かが南の近くに座り、誰かが南の顔を見て、誰かが南のことを好きになったら、と思うと人が少なくてよかったと思う 俺達はイルカショーが始まるまで売店で売ってたものを食べていた

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