109 / 207

第109話〜2〜

〜南side〜 …恥ずかしい。 僕は今恥ずかしくて堪らない。 つい思い上がって普段やらないことをやってしまった… けどハルに抱きついたら、心臓がバクバクしていて僕と同じ気持ちだと分かった。 不意に、上から寝息が聞こえることに気づく。 「ん、あれ?ハル?」 ね、寝てる…? 「どした?」 異変に気づいた優さんが聞いてくる。 「あ…ハル寝ちゃって…」 「あー…あんまり寝てなかったの?」 「うん…」 「聞かなかったでしょ!」 なんでわかったんだろう。 僕はコクリと頷く。 「ハルくんって昔から言っても聞かない時があるんだよね〜! それが仕事に支障をきたすのに。変なところバカだから!」 とても笑っている… けどそう言いながらも、ハルと僕を離して、ハルをソファに横たわらせた。 「ね、さっきのやってよ!」 「さっき?」 「うん!にゃ〜んって。僕後ろにいたから顔は見れてないんだよね〜」 え。 それは…ちょっと… 「い、嫌です。」 「えー!なんでなんで!」 な、なんでって… 恥ずかしいからに決まって… いや、優さんの顔を見て僕は気づいた。 「面白がってます?」 「あはっ、バレた?」 そう。 ふと顔を見たら優さんはにんまりと笑っていて、冷静になるとすぐ考えていることがわかる顔だった。 「そういえば、その指の…」 急に話の話題が変わる。 「あ、これですか?」 優さんが見たのは婚約指輪だった。 「綺麗〜! 本当はこの前から気づいてたんだけど、あのクソ野郎とずっと居たから言えなかったの!」 クソ野郎…… もしかして、東さん…? 東さんの話になるといきなり顔が変わって驚く。 もしかして優さんには二面性があるのだろうか?

ともだちにシェアしよう!