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第113話〜熱〜
な、何だこの熱は…!?
急いで体温計で測る。
………39度!?高!!
びょ、病院??いやその前に南に…あっ、タオルを濡らして…!
「ん、ハル…」
「あっ南!」
良かった。意識はあるみたいだ。
でも、なにか…
「ハ、ル…僕…あの時見たの…」
「見た?…って、なにを?」
「あの時の目は……怒ってた…ぼ、く、ちっちゃい頃から…ずっと見てたから、そういうのわか、るの…」
「どういう意味…?」
「すぅ…すぅ…」
寝た!!!!!!!
誰だ?
怒ってた?俺に?
そんなやつ俺の身の回りに…………………
優?
いや、いやいやいや…
なんでそこで優が出てくるんだ…
おかしいだろ。俺は優が嫌いなのか?
………今まで従兄弟として接してきたけど、嫌なところはあるが嫌いじゃない。
ならなんで…
あぁ。最近2人になにかあったかもしれないから。
少し、様子を見てみるか。
どうせ優に聞いてもはぐらかされるし南は言いそうにないし…
兎に角、今は南の熱を下げること。
食欲はあるだろうか。
また意識を取り戻した南に聞く。
「南、お腹空いてる?」
首を横に振る。
でも軽く食べといた方がいいだろう。
「おかゆ…はいける?」
「うぅん…無理かも…」
「うーん。あ、りんごのすりおろしは?」
「………食べたい」
「了解」
食べられるものがあって良かった。
急いでりんごを買いに行った。ついでに薬も。
家に帰ってすぐりんごをすり下ろす。それはもう凄い速さで。おかげで腕が痛いが…
「南、起きて。はい、これ。あとこれ薬と水な。」
起きて林檎のすりおろしを食べる南。
だるいのだろう。
半開きの口に掬ったスプーンを無理やり突っ込んでる感じだ。
「そんな無理矢理…りんごは後で、薬だけ飲んで寝ていいよ。」
「…やだ。ハルの料理残したくない。」
いや残すじゃなくて後にするだけなんだけど…
けど南は真剣だし、まぁ…そのまま見守る事にした。
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