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第118話〜2〜
「あ、優さ………」
「はいこの話おしまい!さ、あとはこれ焼くだけだよ〜」
無理やり話を終わらせていき、もうこれ以上聞いてくるなって言ってるみたいで何も言えなかった。
「あれ、もう終わったの?」
「あと焼くだけなの」
「へぇ。じゃあ南、おいで。」
朝約束したことを守ってくれてるハル。
でも優さんの気持ちを知ってしまって、自分から進んでハルの元へ行けない…
「ぃ、いいや今日は…」
「……………」
3人の視線が集まる。
その視線を知らないフリして、僕は東さんの隣に座った。
「じゃあ僕ハルくんの隣座ろ〜」
そう言ってニコニコしながらハルの隣に座る優さん。
「もー、僕が隣でしょんぼりしないでよー!」
「い、いやしょんぼりはしてないけど…」
「ぬはははは!!!南ちゃんは俺の事大好きなんだよ!」
「冗談でもやめてくれ……」
何だかハルに申し訳ないことしちゃった……。
あ。まただ。
優さんの目には怒気を感じた。
なんで?なんで怒ってるの?
僕は優さんが分からなくて、今日1日ずっと優さんのことを考えていた。
ガトーショコラが出来て、ハルと東さんがガトーショコラをくれた。
僕が困ってたら優さんが解決してくれて、ふと、顔を見たらいつもの可愛い笑顔で…
2人が帰って行った後も、僕は優さんが忘れられなかった。
すると突如ハルが話しかけてきた。
「みーなみ。」
「?ハル?」
「ねぇ、ちょっと質問いい?」
深刻そうな顔だ。
「いいよ…」
「今日さ…ずっと優のこと見てた…よな?」
もう嘘はつきたくなくて、素直に頷いた。
少し経つとハルが唸り出して驚く。
「は、ハル…?」
「んー………………うん。」
僕のわからない話をしてる…
そしてハルは真剣な顔で、僕と向き合い、一生聞きたくないことを言った。
「南。別れよう。」
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