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第124話〜最後の朝〜
〜南side〜
いつもより早く起きたはず…なのに、隣にハルはいなかった。
ハルがいたであろう場所を触る。
「つめたい…」
一体何時に起きたんだろう…
やっぱり、僕と居たくないのかな…
最近…避けられていることには勘づいていた。
なんでフられたのか未だに分かってない。
でもきっと僕が何かやってこうなったんだろう…
ハルは嘘でもあんなこと言わないから。
ハルは仕事してるかな?
少しでもハルといたい僕は寝室を出た。
「あれ。南今日早いんだね」
い、いた…
てっきり仕事部屋だと思ったからこっそり覗いてようとか考えてたのに…
心の準備をしていなくて涙腺が緩んだ。
僕の気持ちを悟られたくなくて、素っ気ない返事をしちゃったけど嫌いになったわけじゃないよ。
僕はずっとハルのことが大好きだよ。
なんて言えるわけもなく…
あ…ハルの朝ご飯…今日で最後だ。
いつもはパンを食べてるんだけど…どうしよう、今無性にパンケーキが食べたい…
ハルに伝えたら了解って応えが来た。
本当に少しだけだけど、お話が出来て嬉しい。
そういえば、僕とハルが出会ったばかり時の朝もパンケーキだったな…懐かしい…
朝ご飯も食べ終わって、これからはこうやって過去を懐かしむ日が来るのかぁ…なんて思ってたらインターホンが鳴った。
東さんもう来ちゃった…
ハルは仕事部屋にいて、全然ハルの顔見れなかったな…
「やっほやっほー南ちゃーん!!元気ー?」
「お前うるせー」
ハルと東さんがいつも通りの軽い会話をしながらリビングに入ってくる。
2人の様子を見て、いいな…僕もあんな風に話せたら…なんて思いながらただ黙って見ていた。
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