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第128話〜答え合わせ〜

「は、え???」 突然のことに理解に追いつけない。 「こんっのばか!!!ばかばかばか!!!」 優はずっとバカやらアホやらポカポカ肩を叩きながら貶した。 「ちょ、イタタタタ!力強い!!」 「当たり前でしょ!本気だもん!!」 全く叩くことをやめない優の腕を俺は掴んだ。 「何お前…」 「はぁ?それ僕のセリフなんだけど?」 余計わけがわからない。 南がいなくなった理由を全て話した途端怒り出すなんて…… 「僕はハルくんに言いたい事があります!」 「えっ、はい。」 急に敬語になるのだから俺もつい敬語になってしまう。 「まず1つ目!ハルくんは無責任だよね!南くんと出会った時ハルくんは何したの?その後何したの? その時責任を持って南くんと暮らすことを決めたんじゃないの?なのに別れたら気まずいからって、あの青い虫に南くんを任せたんだ。 ハルくんの責任ってそんなもんだったの?」 「それは…」 優の言ってることはご尤もで言葉に詰まる。 でも決して無責任ではなかった。 ちゃんと考えたし、その答えが一緒に暮らすってことだったんだ。 「俺はちゃんと考えて、」 「でもその結果がこれだよね。」 優は俺の話を最後まで聞く耳を持たず、また話し始めた。 「じゃあ2つ目ね。なんでハルくんは勘違いしてんの?」 「…は?」 意味がわからなく、つい間抜けな声が出てしまった。 「勘違い?」 「…呆れた。普通に考えたらわかるでしょ。南くんはハルくんのことが大好きで、僕のことは恋愛対象としてみてないよ?」 「いや、ありえない」 「どうして?」 優は決して俺から目を離さず、じっと言葉を待った。 「だって、ガトーショコラ作った時に南はずっと優を見つめてたんだぞ?しかも頬まで染めて!………恋してる顔だった。」 最後の言葉は、自分で思ってるよりも切ない声で驚いた。 「多分だけどさぁ。それ、僕のこと見ながらハルくんの事考えてたからじゃないの?」 「え?」 「2人でガトーショコラ作ってる時にハルくんの話になったんだよね。」 いや。それだったら普通俺の方を見ないか? 未だに信じきれない俺に、更に優は告げた。 「あのね。僕、ハルくんが好き。」

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