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第129話〜2〜
〜優side〜
「あのね。僕、ハルくんが好き。」
ずっと心の奥底にしまってきた言葉をついに言った。
すごく驚いてる。
…だよね。ハルくんは僕のことそんな風に1度も見てこなかったもんね。
「えっと…なんて言えばいいかな。」
「いいよ。はっきり言って。」
「…ごめん」
「それはどっちの?返事?それとも気を使わせたこと?」
こんな意地悪を言ってみるけど、結果はわかってる。
「…両方」
知ってた。
これでやっと諦められる気がする。
「…ん。話戻るけどね、僕がハルくんを好きなの南くんにバレちゃったんだよね。その後にガトーショコラが出来上がったの。
きっと、ハルくんのいい所だったりされて嬉しかったことを思い出して頬を染めてたんじゃない?」
「そんな、」
「でも僕は南くんに言われて隠そうと思わなかった。
それに僕が二人の関係を拗らせちゃった自覚もある。……………ごめんね。」
ついにハルくんは黙りこくってしまった。
ハルくんには幸せでいて欲しい。それが僕にとっての幸せでもあるから…
「ほら!何ぼさっとしてんの!さっさと南くんの誤解解いてヨリ戻しなよ!二人ともお互いに好きなんだから。」
「ありがと」
そう言ってハルくんは外へ出て行った。
家主がいない家に居ても迷惑なだけ。僕もハルくんと一緒に外に出た。
ハルくんは直ぐに車に飛び乗ったけど、僕はブラブラと宛もなく歩く。
小さい頃からハルくんとは仲良くさせてもらっていた。
俺が中学生の頃だろうか。
優秀なハルくんと違って、俺はただ平凡に過ごすだけ。
「ねー、好きなタイプってなにー?」
「なに急に」
いいからと俺は言葉を急かした。
「んー、可愛い人とか?」
「へぇ」
少しでも…ほんのちょっとだけでもいい。一瞬でも可愛いと思って欲しい。
まずは自分のことを『俺』っていうのはやめよう。
男らしいから…
俺は…いや僕は、ハルくんに意識してもらいたくていつも何かと頑張ってきた。
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