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第130話〜きっかけ〜
僕達が高校2年生の時、ハルくんに彼女が出来た。
名前は確か…そう、白咲由里花だ。
その人は一言で言うなら綺麗。そして、完璧すぎていた。
でも完璧のハルくんにはぴったりだと思ったし、正直お似合いだと思った。
今まで僕はハルくんにベッタリだったけど、彼女が出来てからは関わらないようにした。
彼女持ちの人にベッタリくっつくのはなんというか…悪い気がしてきちゃうから。
こうして関わらなくなっていって4年が経過した。
僕とハルくんは大学が違くて、関わることは殆ど無くなった。
ある日、あー、お腹すいた。あ、あそこのカフェ美味しそう。なんて思っていると見知った顔がいた。
白咲さんだ。
何してるんだろ。
話してる相手は……………知らないや。
でもなんか怯えてる?なんで?
気になった俺は近くまで来た。
話し声が聞こえる。
「ねーさっきなんで晴くんに話しかけたの?」
「えっ?ノート借りてたから返しに…」
「は?晴くんのノート借りたの?なんで?ねぇなんで?」
「授業一緒だし、ノートわかりやすいから…。私その日の授業休んでて…!」
「うるさい!!!私の晴くんに近づかないでよ!!!!
……いい?今後晴くんに近づいたらタダじゃ置かないから!
そうだな……あなたの個人情報を全部ネットにばらす、とかは?」
「えっ!?」
その時僕は何を思ったのか、その場に飛び出してしまった。
「ねぇ!何言ってんの!?」
思いがけない登場に二人とも目を丸くしている。
「いつもハルくんといた時の態度は嘘なわけ!?黙ってないで何か言ってよ!」
僕がそう言った時、彼女は嘲笑ったあと『だから何?』と。
「そう言えばあんたも晴くんと仲良かったよね。なに?ホモなわけ?晴くんに近づかないでよ。気持ち悪い…
丁度いいや。話聞いてたならあんたもそうしてよ?私、やると言ったらやるんだから。」
そう言って彼女は去っていった。
脅されていた彼女もまた、どこかへ行ってしまった。
けど僕がそんな脅しでビビるわけがない。
警察に言っても証拠がないし………………
あぁ、ハルくんから離れさせればいいんだ。
僕がハルくんに会いに行って言いに行く?
いやでも全然話してないし気まづいな……
もう、最悪。あいつに頼むしかないじゃん…
僕はブルーヘッドに事情を話してお願いした。
意外にも直ぐに協力してくれた。
何だかんだ二人ともハルくんが好きなのは一緒だし、こういう時は助かる。
でも、僕と確実に違うのは好きの違い。
likeとLove
同じなように見えて全然違う。
僕も恋愛感情なんて持たずに、普通に接することが出来たらよかったのに…
結局ハルくんは彼女と別れた。
それと同時に僕はある決意を固める。
弁護士になろう。
またこういうことがあるかもしれない。
その時、役に立ちたい。
ハルくんの力になりたい。
僕は2年制大学で、今年は卒業だ。
法学部を目指そう。
でも僕はハルくんみたいに頭がいいわけじゃない。
ハルくんに勉強教えて貰えるかな?
ドキドキしながらも、久々に電話をかけた。
僕の話を聞いて、ハルくんは直ぐに承諾してくれる。
優しい。優しいけど、たまにそれが憎くなる。
その優しさで、また恋をしてしまうよ…
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