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第171話〜2〜

直ぐに店を出る。 「りッ、凛夢子さんっ!!!」 「え?」 名前を呼ばれて振り向いた彼女は、俺の顔を見るなり一気に顔を緩めた。 「せ、先生ッ!も、もしかして私のことを見かけたから話しかけに…?」 「あー…いや、そうじゃなくて…………」 なんて言おうか。 いきなり『キャリーケースの中を見せてくれ』なんて言われたら誰でも不審がるだろう。 ええい、南がいるかもしれないんだ…! しかし流石にここは避けたい……… 人通りが多すぎる。 俺は近くの公園に凛夢子さんを誘った。 「あの…お話ってなんですか??」 「……単刀直入に言うんですけど、その中見せてもらってもいいですか?」 キャリーケースに指をさした。 あ、やっぱり。 凛夢子さんも驚くよな………… 無理か。 そう思った時だ。 凛夢子さんは嬉しそうに承諾した。 「いいですよ」 「…え?は?いいんですか?」 「ええ!だってキタヤ先生の頼みですもの。 断る理由がありませんよ」 ここまで簡単に応じられると、本当に南がいるのか疑わしくなる。 そう考えているうちに、彼女はさっさとキャリーケースの中を開けた。 中には服や袋等があり、こんなに荷物があれば南は入れないだろう。 本当に申し訳ないことをしてしまった。 「ありがとうございました。もういいですよ。すみませんでした。」 「いいですよ。何か探し物ですか?」 探し物…か。 「まぁ…そんな感じですかね」 「あら。頑張ってくださいね。」 そんな話をしながら、俺たちはここで解散した。 もう一度店に戻ろう。 もしかしたら南がいるかもしれない。 早歩きで、またさっきの店に向かった。

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