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第173話〜同じ気持ち〜
「…もしそうだとして、どうなるんですか?」
唇が震える。
「え?どうともしないけど?」
えっ
予想外の言葉に驚く。
ネットにばらすとかそういうのしないってこと?どういうこと?
この人の意図がわからない。
「そんなに怖がらないで?ただ私はあなたと一緒。」
……一緒?
「キタヤ先生が好きなだけよ。」
そう言って彼女は優しく僕を抱きしめた。
「ッ、離れてくださいっ!」
手は鎖で繋がれていて、体で押し返す形となったが僕も男だ。
それだけでも彼女は少し押し返されていた。
けれど彼女は怒らない。
「ふふふ、素直で可愛い。キタヤ先生もほっとかないよね。
でもそれも今のうちかも。」
「え?」
彼女は静かに僕の腕に指さす。
訳が分からない。
「わかんないって顔してる。
でも大丈夫だよ、後々分かるから。」
そう言うやいなや、いきなり彼女は僕のあらゆる所をベタベタと触りだした。
「やっ、なに?!」
「ねぇ、キタヤ先生にどこ触ってもらったの?どんなふうに触ってもらったの?
私が上から拭き取ってあげる。」
何を言ってるんだこの人は……………
頭が痛くなる程話が通じない。
「………そう、教えてくれないんだ。
じゃあいいや、私は南くんを使ってキタヤ先生がどんな表情をするか楽しみにしてるわ。
せいぜい頑張ってね?」
彼女はそのまま部屋を出ていったと同時に、また見知らぬ男の人が入ってきた。
「うっわ可愛い〜。やっべ、これなら全然勃つわ。」
男性の言っている言葉を理解したくなかった。
それでも、ついこの前までヤられていたんだ。
これからどんなふうになるのか。
藍川家のことを嫌でも思い出した。
ねぇ、ハル?
今どこにいるの?
僕はここにいるよ?
早く………会いたい……………
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