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第191話〜出会い〜
〜大雅side〜
ずっと隠してた思いを言うことにした。
いつからだろうか………。藍川に恋心を抱いていたのは。
出会いは中学2年生の時だ。
その時の俺は、どこからどう見てもガリ勉な上、人と話すのが苦手で友達は一人もいなかった。
けれど本を読むのが大好きで、よく図書室に通っていたのを覚えている。
ある日俺は、クラスの中心の奴らに眼鏡を取られ、何も見えない状況で必死に取り返そうとした。
けれど見えないせいもあってかなかなか取り返せない。
その時、誰かにぶつかったようで近くから声が聞こえた。
「いたっ、」
「え?あ、ご、ごめんなさい!あの、大丈夫ですか!?」
「…………この人達に眼鏡取られちゃったの?」
何故わかったのだろう。
事実なので俺は静かに頷く。
何も見えないが、男子達の声が聞こえる。
「なんで眼鏡取ったの?」
「はぁ?暇つぶしだよ!」
「んーーー。あ、暇ならさ、今日購買行ったら??先着3人までのパンが今日売るらしいよ。」
「は?!まじかよ、ちょ、行ってくる!」
そんな会話が聞こえた後、俺の手には眼鏡があった。
眼鏡をかけてみて驚く。
この男の子が、あまりにも綺麗だったからだ。
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