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第200話〜話し合い〜
〜晴也side〜
次の日
花さん達に最後に出す本について説明しに会社に行った帰りのことだ。
いきなり位上くんに呼び止められた。
「え!?位上くん?どうしてここに?」
「えっと、あの…ここにいたら会えるかなって。」
お、おぉ……
その顔でそんな言葉を言われたら女性はイチコロだろう。
というかここにいたら会えると思う…って。
「もし俺がここに来なかったらどうしたの?」
「そしたらまた違う日に来ます。」
「あ、そうなんだ…」
なんとも凄い気力だ。
「あの、俺先生に確認したいことがあって来たんす。」
「へぇ……いいよ。俺も位上くんと話したいことあったし。」
俺たちは近くのカフェに向かった。
カフェにつくなり、すぐに位上くんは本題に入った。
「あの。多分藍川から聞いたと思うんすけど、俺告白しました。」
「うん」
「でも俺、先生から藍川を奪ったりとかそういう考えないんで…」
「うん」
分かっている。
もしそんな考えがあるのなら、今頃あの手この手で南を唆していたと思う。
というか、奪わせないが。
「それと…」
急に彼の顔が暗くなった。
「すいませんでした!」
「え、えぇ!?」
突如彼は両手を机の上に置き、深く頭を下げたのだ。
予想だにしないことにただただ驚く。
ていうか何について謝っているのかさえ分からない。
俺が困惑していると、彼は気まずそうな顔で話した。
「藍川からメールもらいました。もう少し日本にいる…って。
すみません。あれ、俺の我儘でもあったんです…。
急にいなくなるって聞いて…焦って、学校に行った方がいいって言ったりとか。」
あぁ。なんだ、そんなこと。
「全然気にしなくていいよ。南の為にもなるし俺も賛成だから。
それに南も学校に行きたいって言ってた。誰も反論してないんだし、南の好きにさせたいからね。」
俺の言葉を聞くなり、位上くんはホットした顔をしていた。
余程悩んでいたのだろう。
どんなに彼がいい人なのかがよく分かる。
「俺の話は以上っす。先生も話したいことあるんすよね…?」
「うん、そうだね。…………単刀直入でいい?」
「え?はぁ…。」
「位上くんさ……ちゃんと笑ってる?」
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