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今日ずっと騒がしかった由李くんは今とても静かで、ほんとに同一人物か疑わしくなる。
それでも、話ってのが気になって早速聞く。
「話って…」
「ええ!そんなすぐ聞いちゃう?!待って待って、心の準備したい!」
「はぁ…」
なにやら1人で騒いでいる…
そして少し経った頃。
「よし。もう大丈夫…………はぁードキドキする」
「では、どうぞ。」
クラスメイトから言われた言葉もあって、何故だか俺もドキドキしてる。そんなことあるわけないのに。
そして由李くんは口を開いた。
「………………好きです。俺と付き合ってください!!!」
「…は?」
クラスメイトの言っていたことが的中してしまい、つい素っ頓狂な声が出てしまった。
「えっあれ?……好きです!付き合ってください!!!!!!」
俺が聞こえなかったと思ったのかもう一度言い直してきた…
俺の目の前には直ぐに由李くんで、ましてや俺たち2人しかいない教室なんだから当然聞こえてる。
由李くんは古典的な間違いをしてきたが、彼は真剣なんだよな…
あれ。なんでだ…?
今俺の心臓の速度が速い。
……そうだ。告白されたから。
決して由李くんだからとかではなくて……ほら、中学の時だって告白されたし。その時だって………………あれ?
俺、その時ドキドキなんかしたっけ。
こんなにも相手のこと考えたっけ。
ダメだ、いつも通りに言わなきゃ。
「ごめんなさい。由李くんの気持ちは嬉しいけど、その気持ちには応えられません。」
これで………いいんだよな?
そうすれば、相手は傷つかないよな?
そうだよな?兄さん。
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