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※第5話

いつもどこに帰っているのか不明だったが、彼はΩ専用の居住スペースに住んでいるようだった。 局長もずっと会っていないと言っていたしな。重たい体を抱えて部屋に入ると、トレーニング器具と机とベッドしかない殺風景な部屋だった。 似合わないな。 ベッドに転がして、汗だくの制服とシャツをぬがしにかかると強烈なフェロモンに頭が飛びそうになる。 ヒートにあてられちまってるのはわかる。 棚から出したタオルで拭ってやり、着替えを着せようと体を動かすと、彼は僅かに目を開いてとんとオレの体を押しのける、 「…………ありがとな…………もう……だいじょぶだから…………帰ってくれ」 かれた声を出して辛そうに言う相手に、オレは首を振る。 「アンタ1人で動けないじゃないすか」 「だから…………それはッ…………オマエがいるからだ、はやく、かえ、れッ」 珍しく声を荒らげる相手に、かなり余裕がないことを知る。 性教育の時間なんて、あまり興味がなくて流すように聞いていた。 だから、なんで彼がこんなにも辛そうなのか、オレには分からなかった。 「クソ……はやく……かえらねぇ、オマエが悪い……」 グイッと腕を強く掴まれて、固いベッドへと引きずり込まれると押し倒されて馬乗りになられる。 鼻から栓を抜かれると、頭を痺れさせるような甘い香りがくらくらとしてくる。 見上げると熱をもった目でじっと眺め下ろされ、上着を早急な仕草でたくし上げられる。 「訴えて…………いいから……、いまは……オマエをくれよ……」 普段の彼からはまるで想像できない欲にとらわれた表情で求められているのが分かり、オレは唾を飲み込む。 息を吸うとむせかえるような、甘い痺れが全神経を辿り、股間ははち切れそうに反応する。 この男が欲しいと、脳みそがドーパミンを出しまくる。 緩慢な動作でオレのペニスをパンツから引きずりだして、くちゃくちゃっと音をたてて舐め始める。 これが、Ωなのか。 そういう風に生まれた時に決まってしまってるだなんて、こいつは絶望しなかったのだろうか。 充分な硬度を確認すると、彼はオレの腰に跨ってゆっくりと埋没させていく。 「……ッ……ッう、は……ッ……」 「ッんだ……これ」 柔らかい肉の壁が包み込み、指先まで快感が走る。 腰を掴んで中を深くえぐりあげると、理性を失い歓喜したような表情で声をあげる。 「……ッあ、あ……ああッ…………っふあ」 乱れて口元も緩んで快感に溺れる彼の様子が、なぜか悲しくて、でも綺麗で目が離せず、オレは何度も腰を突き上げてそれを求めた。

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