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第7話
「悠、支度できた?帰ろ!」
「あ…、ごめん、郁瀬。今日ちょっと用事があって帰れないから先に帰ってくれるか?」
学校が終わり、いつものように声をかけてきた郁瀬に謝る。
「用事?なんの?」
「えっと…、それは…。」
昨日告白したばかりなのに、合コンなんて言ったら…。
「隣の女子校の子と合コンだよ。」
「えっ、ちょ!」
「合コン…?」
どう言い訳しようか悩んでたら、杉野が横から口を出し、止める間も無くバレる。
チラッと郁瀬を見たら眉間にシワを寄せて俺を見ていて、すぐにマズイと思った。
「あ、えっと…違くて…!」
「なに悠、合コン行くの?」
「や、まぁ、行くけど、そうじゃなくてっ!」
「…まぁ、好きにすればいいんじゃない?じゃあ、俺帰るね。バイバイ。」
郁瀬は、俺の弁解を聞こうとせず早口にそう言うと、フイッと顔を逸らして教室を出て行く。
「…?郁瀬、なんか怒ってたっぽい?」
怒ってたぽい、じゃなくて、怒ってたんだよ!あの顔は…っ!!
郁瀬は合コンとか嫌いだし、昨日の告白もからかわれたとか思ってたら……。
ああ、ヘコむ。
「…もういいよ、早く行こうぜ。」
「おう、悪いな!数合わせに付き合わせて。」
今更どうにも出来きず、これ以上気分が下がるようなことは考えたくなくて、杉野と二人で合コン場所へと向かった。
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