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第6話

こらからどうしよう…。 「はぁ……。」 頭の中が、郁瀬の事やこれからの事でいっぱいで、授業の最中だということも忘れ、机に肘をついて大きなため息をついた。 「ん?なんだ?佐野。ため息なんかついて、そんなに俺の授業は簡単すぎてつまらんか?」 「えっ…いや…。」 それに反応した先生に、突然名前を呼ばれ戸惑う。今の授業担任は、厳しくて説教なんかもねちっこいと有名な嫌われ者で。 「まぁ、そう思うのは仕方ないよな。じゃあこの問題、佐野やってくれ。」 「…はい。」 しまった、と思っても後の祭りだった。 「佐野〜!さっきは災難だったな〜!秋先の授業でため息なんてつくからぁ!」 授業が終わり休み時間になった時、前の席にいる友達、杉野(すぎの)が話しかけてきた。 ちなみに、朝挨拶してきたのも杉野だ。 秋先こと、秋元先生。さっきの授業の先生。 「無意識だよ…。つかお前笑ってたろ。」 「あ、バレてた?たく、声殺すの必死だったぜ。」 「バレバレ。肩震えてたし。」 「ハハハ、わりぃわりぃ!でも、さすが郁瀬だよな〜。チョーク持ったまま問題解けなくて困ってるお前の後ろから解答書いてさ! 『こんな問題で佐野をいじめるくらい暇なら、さっさと授業進めてください。』 って!!いや〜!女だったら絶対惚れるよな!!」 「…だな。」 そう。さっきの問題、分からなくて固まってた俺を郁瀬は助けてくれたのだ。 男の俺ですら惚れ直してしまったくらい。 これ以上好きになって、俺はどうすりゃいいんだよ…。 「ところで佐野。やっぱりお前元気ねぇよな?なんかあったの?」 「え…、いや、別に…?」 「…まぁ無理に聞くことはしないけど、そんなお前に俺から提案が。」 「…なに。」 あまりいい予感がしなくて顔を顰(しか)める俺を見て杉野は、にやっと笑って言った。 「今日、合コン行かねぇ?」 「はぁ?」

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