元々薄着だった服はあっという間に剥ぎ取られた。先生もシャツを脱ぎながら覆いかぶさる。腰をゆるゆると擦り合わせショートパンツから伸びた生足を絡ます。いきなり刺激が強すぎだ。 「──先生、先生っ」 　焦って声を上げると頬を手で挟まれる。大きな瞳に吸い込まれそうに近い。 「ね眞尋。僕の名前、知ってる？」 「……結(ゆい)……でしょ」 「うん、そう。じゃあ呼んで」 　自分は呼ばれて嬉しかったのに、先生をそう呼ぶことは思い付きもしなかった。 「……結」 　初めて呼んだ名前は胸がぎゅっとなる。 「うん……眞尋」 「結──」 　名前を呼び合って唇を合わせる。あむあむと喰まれて気持ち良かったのでやり返すと、舌がぬるっと入ってきて深い口づけになる。身体の隙間をなるたけ埋めるよう、重なり合い、脚を絡め合いながらキスを繰り返していく。 「眞尋の──勃った」 　全裸のオレに隠す術はなく即座にバレた。先生の手が脚を大きく割り広げる。その間に身体を滑り込ませて悪い顔でこちらを向く。 「見てて──」 　そう宣告し、俯きながら口を開けた。その場所でなにするかなんて……聞かなくても分かる。やばい──やばいやばい。心臓がドキドキしすぎて痛い。 　舌を長く伸ばしたところを見せつけながら、オレの股間に降りていく。目を見開いて息すら忘れる。 「──っふ、うう──っっ」 　ぬるぅっ、とした感触がオレの敏感なところを包み込んでくる。感じすぎて腰が跳ねたら、口の中に押し込む格好になってしまった。先生は一瞬、目を丸くして──すぐにピチャピチャと恥ずかしすぎる水音を立て始めた。 　余りに卑猥で耳を塞ぎたくなる。音だけでもイきそうだ。さらにド素人のオレに、両手＋唇＋舌という鬼のようなテクニックをブチ込んでくる。 「んんーっ、ぅ、はあ……っ」 　限界なんか秒速で超える。もうすぐにでもイく。迸る衝動に身を任せようとしたとき先生が動きを止めた。 「もう出ちゃう？気持ちいいから、我慢できない？──まだ、だめ」 「っあ、なんで！」 　涙声になった。 「すごい、ひくひくしてる。キツイよね……イキたいね」 「っは……さわ……な……」 　白いものが混ざった液体の溢れる先端を指が行き来する。イけないんなら拷問だった。 「眞尋のなか触ったとき……初めてなのに、すごく感じてた。かわいくって早く眞尋の中に入りたくて仕方なかった──だから今日は挿入(いれ)ちゃう。今イッたら眞尋が辛い……我慢して」 　もっともらしいことを言われても、ちっとも納得できない。 「だったら……舐めなきゃ……いいじゃん……！」 「いやだよ。我慢して悶えるえっちな眞尋が見たい」 　欲望を曝け出す言葉にゾクリとする。 「あ──また言葉だけで感じたの──？眞尋、ホントにいやらしい。最初から知ってたよ。どこ触ってもビクビク感じて……僕も止まらなく、なっていった」 　オレの手を取り股間に導く。熱く猛って屹立している。想像なんて出来たけど──大っきい。 「……見せるよ。なにも隠さない。眞尋が怖がっても……もう無理だよ」 　上から手を重ね上下に動かす。手のひらに脈動すらはっきり分かる重量感のある熱を感じ、欲情がダイレクトに伝染する。 　研究室で脱いだとき先生はまだ一歩引いていた。きっと今は何を言っても引いてはくれない……あの、身体に好きにされる。背筋が震えた……怖いからじゃない。 　先生の手はいつの間にかヌルヌルのローションまみれになっていて、尻にも股間にも塗りたくられる。 　そんなのどっから……なんて聞いたりしない。先生と居ると何が起きても不思議じゃなくなる。 　指が抵抗もなく入ってきて浅い所をグチュグチュとかき回す。 「あっ、あっ……っは、うぅ──」 「うん。気持ちいいね。ここグリグリされて気持ちいいよね──かわいいよ。かわいい、眞尋」 「うぅん──っ、っは、あっ」 「もっと、やらしくなって。いっぱい……欲しがって。──眞尋は、僕の。自分で脚を開いて──僕におねだりして見せて」 　次々と吹き込まれる言葉がバカになった頭に暗示のように染みていく。意味は卑猥でもその声は切実で、先生は深く──オレを求めている。恥ずかしいことなのかなんなのか、もう判断できない。こんなに強く、求められたことなんて無い。 　脚を抱えて股を広げる。先生がくれるものなら何だって欲しい──そう思って滲む視界で顔を見つめた。 「──眞尋……。眞尋、好き。好きだよ──」 　身体を倒した先生が、愛おしそうにオレの胸に頬を擦り付ける。温かいのは体温のせいだけじゃない。切ない呼び声がオレを煽る。 「……オレ、も……好き。結が好き……ずっと、オレを好きでいてよ──」 「ッ──……反則だよ……かわいすぎる。だめ、もう……欲しくて……たまんない」 　先生がパンツをずらして股間を晒すのを息を呑んで見つめた。見たこともないサイズのそれは、いくら興奮した頭にも冷水を浴びせた。 「無……理……だろ、それは……」 「平気。眞尋の身体は、えっちだから。きっと……おいしく食べるよ」 　人が悪食みたいな酷い事を言いながら、ゴムの袋を咥えて破る。 「誘ってる──眞尋のココ」 　四つん這いにされ、孔に先端をピタッとあてがわれる。当てられた所がヒクヒクと収縮しているのが分かった。誘ってなんか……ない。でも当てられてるだけでも、ジワジワと中が疼いていく。 「…………挿入(いれ)ちゃうね」 　ずぷっと太い塊が押し込まれる。 「ふ、っん、んっんん──っ」 「先が入れば、少しラクになる」 　……そう言えば、初めて指を挿れた時も何の躊躇いも見せなかった。まさか、こんなに直径が違うものまで迷いもしないとは。でも先端を挿入(いれ)てからは、それ以上進まずじっとしている。 「──は、っ……ここで止まるの……きつい。あんまり、締めないで………」 　そう言いながらも待ってくれている。 「小さな眞尋に僕のは大きいから……眞尋のお腹、いっぱいになる。入っちゃいけないところまで──多分、入る」 「…………？」