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15《可愛いひと》

それから数分か十数分かそれくらい経って、不意に眼を覚ますアサト。 「…ぁ、ラウ…オレどれくらい寝てた?」 まだラウとの繋がりを保ったままだ。 「ほんの一時だ、もう少し休んでもいいぞ」 「ううん、大丈夫…ラウの腕の中は心地いいから、本気で寝たら朝が来ちゃうよ」 「朝まで寝させてやりたい」 そう、優しく身体を撫でる。 「ありがと、」 「無理させたな」 「ううん、大丈夫。ラウって、一回射精したら終わりなのかと思ってた」 「普通は出したら衝動は落ち着くんだが、またしたくなった、アサトが可愛いことを言うから」 「え、オレ何か言ったっけ」 そう不思議そうに首を傾げる。 「…いや、思い出すと、また興奮しそうだから」 「えっ、繋がったままエンドレスに興奮できるのか??それはちょっと困るなぁ」 そうくすくす笑っている姿も可愛く映る。 「…アサトが可愛いから」 「別にオレ、可愛くないと思うけど、」 不納得気味に首をかしげる。 「可愛いんだ、ずっと連れて歩きたいくらい」 「ペット的な?」 「ペット?」 「あ、獣人はペットとかないのか、えーと愛玩動物?」 「人間は動物を愛して玩具にするのか?」 「あ、なんかそれだとイメージが悪いな、えっと小動物を可愛がってご飯をあげたり遊んだり散歩したりして飼っている状態をペットっていうんだけど…」 「小動物は餌だからな…そういう視点でみたことはないが、ペットとは違うと思う、人間はペットと子作りしたいと思うのか?」 「ふ、それはないな、知らないのに凄い真理ついた言葉が返ってきたよ」 クスッと笑ってしまう。 「…、俺はアサトとずっと一緒にいたいだけだ、アサトの姿が見えていないとどうしているか心配で仕方ない」 「ありがと、オレもラウとこうしていられるのが幸せだから、そうできるといいよな」 「あぁ、アサト、愛している」 しっかりと頷いて、離し難い愛しい人を抱き寄せ慈しむ。 「ん…」 そうして、ラウも落ち着いて、結合を解き、惜しみ合いながら夜中のうちにいったん別れる。 それでもこれからは週に一度は狩で昼間会えるようになるから、気持ちは随分違う。 他の獣人に慣らすためシィを連れて狩に参加する。 みんなの狩の邪魔にならないように、それでみんなともコミュニケーションをとって、(むれ)の一員として認めてもらうために…。

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