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24《涙》

「アサト、違う、聞いてくれ!」 入り口の戸越しに、ラウは必死に呼びかけるが… 「っ…聞きたくない」 俯いて耳を塞ぎ首を振るアサト。 「アサト、アサト…俺が愛しているのはお前だけだ!」 「……っ」 「あの日は、レイに嘘をつかれて洞窟に呼び出された、油断していたからレイの発情フェロモンを嗅いでしまって、煽られるまま、あんなことに…」 「……っ」 あの情景を思い起こすと、涙が溢れてくる。 「あれから、嗅覚を鈍らせる薬草を持ち歩き、レイが来てもそれを嗅ぎ回避しているからあの日以来レイとは寝ていない」 「……」 それが本当のことかどうかなんて分からない… でも… 「アサトには辛い思いをさせて本当に済まなかった、俺はレイとツガイになるつもりはない、それはアサトと出逢う前からそう思っている。それがレイの願いだとしても聞くつもりはない」 「ラウ…」 「アサト、ちゃんと謝りたい、出てきてくれ」 そう願うが… 「無理、」 「なぜ?」 「こんなぐしゃぐしゃな顔、見せられない」 レイみたいに綺麗じゃない…泣いてる顔なんか余計に… 「大丈夫、俺はどんなアサトでも大好きなんだ、見た目がとうこうなんか関係ない、お前のこと、全部好きなんだ!頼む、傍に来て欲しい…」 「ラウ…」 「お前をこの腕に抱きしめたい」 「………ラウ」 ラウの優しい言葉に、拒否し続けられなくなって… ゆっくりと戸を開けて、ラウの元へ歩む。 俯き、片手で涙で腫れた瞳を、顔を隠して… 柔らかなラウの胸にすがりつく。 「アサト…すまなかった」 膝をつき屈み、優しく抱きしめて…アサトの髪を撫で匂う。 「……ラウ」 ゆっくり顔を上げるアサト… ラウはアサトの頬に残る涙の雫を舐めて無くし瞳を重ねながら… 「不快なものを見せて本当に済まなかった、けれど、決して俺の意思じゃない、以前からレイは俺と寝るために寝床に忍び込んできたりしていた、だから小屋では警戒していたんだが、あの洞窟へは他の獣人が用があると聞かされ騙されて…」 「オレも、レイに呼ばれて行った」 「…すまない、もう少し警戒するべきだった」 アサトの顔を見つめ、金色の瞳を重ねて、真剣に謝る。 「ごめんラウ、ラウは悪くないんだ、責めるような言い方してごめん」 その瞳は、嘘なんかついていない。 「アサト…」 「オレのわがままでツガイになってないんだから仕方ないのに、」 ラウは悪くない、そうなる可能性があるってラウは言ってたのに、オレが我儘言ったせいで、こうなって、それなのにラウを問い詰め謝らせてしまった。

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