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45《審判の時》

狩を終え、夕方、(むれ)のみんなの判断を聞くため小屋の外にあぐらをかき座って待っているラウ。 どことなく緊張している様子が伝わってくる。 「ラウ?大丈夫?」 そっと寄り添い首筋の毛を撫でながら窺う。 「あぁ、みんなの審判を受けるのはやはり緊張するな」 アサトの髪に触れながら、心境を伝える。 今までの(おさ)としての力量が試されるから… そこへ… 「ラウ様!」 一人の獣人が駆け上がってきた。 ラウには負けるけれど、αらしく逞しい身体つきに色気のある低音ボイス。 「ラスか、」 ほぼラウと同年代のラス。幼い頃より、共にαとして成長した仲だ。 「ラウ様、大胆なことしましたね」 「そうだな、でも俺は後悔していない、もう覚悟は出来ている。ラスが思うような答えを出してくれたらいい」 「分かってますよ」 ラスは、ラウの前にひざまづき、一度、頭を下げたのち、ラウをまっすぐ見て答えを伝える。 「ラウ様、俺たちのコロニーは、全員、ラウ様に付いて行きます」 「え、いいのか?もしお前たち以外のコロニーがついて来なければ、(むれ)を出ることになる、お前のコロニーは仔もまだ幼い、無理してついてこなくてもいいんだ」 「大丈夫ですよ、みんなとしっかり話てきました。人間との戦は100年以上前のこと、その頃に出来た掟とかもう古過ぎるんだよ、アサトとも話してみたけれどいい奴だ、頭もいい、俺たちが知らない人間の技術も教えてくれた。人間を一括りに悪者にするのは俺も違うと思うし、これからは人間と交わる(むれ)があっても悪くないと思ったんですよ」 ちらっとアサトを見てラウに伝える。 「ラス…」 「ま、第一、俺はラウ様が好きだから、何があってもラウ様について行きますよ」 「ありがとうラス」 安心するように息をつき、礼を言うラウ。 「ありがとう」 アサトも思わずお礼を言ってしまう。 「アサト、ラウ様をしっかり頼むな」 「うん、分かってる、本当にありがとうラス」 それを聞き、笑顔で去っていくラス。 それから残り二つのコロニーもラウについて来てくれると言ってくれた。 年配のαが(まと)める一つのコロニーだけは、(むれ)を離れる選択をしたから、南の(むれ)に移動してもらうことで折り合いがついた。

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