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第56話
「なあ、直央」
「ん・・どうしたの?あ、明日のお弁当に今日の残りを入れて?朝食でも食べるけど、たぶん余ると思うから」
「や、それはいいんだけど・・」
と、日向哲人は髪を拭きながら恋人に複雑そうな表情を向ける。
「ふふ、今日はみんなといっぱい料理の話ができたからねえ。ちょっと味付けとか変化があるかもしれないけど、やっぱお嫁さんとしてはいろんな美味しいモノを旦那さんに食べて・・褒めてもらいたいもんだよね」
「お嫁さん、か・・。なんか嬉しいな」
財前直央の言葉に哲人は思わず微笑む。
「こんな可愛い直央がオレの奥さんなんだもんなあ。ああ幸せ」
そう言いながら哲人が自分の髪をわしわしと触るのを、直央は照れながらもなすがままにしている。
「ふふ。オレもこんなかっこいい人が旦那さんだなんてめっちゃ幸せ」
知り合ったころの哲人には憎悪しかなかったし、攻め志望でもあったのに、今の自分はなぜこうも変わってしまったのだろうと思いながらも直央は恋人に身体を預け続ける。
「哲人いい匂いね。新しいシャンプー使ってくれたのね。鈴ちゃんが勧めてくれたヤツなんだけど、流石にセンスいいよね、彼女」
「この匂い・・な」
自分の髪に手を這わせて哲人は少し複雑そうな表情になる。
「どうした・ ・の?」
「母親・・オレを産んだ人。その人が好きな匂いなんだって。最近になって母さんが話してくれた。けど、確かにオレは昔から馴染んでた気がする。・・鈴がたいてい用意してくれたんだけどな」
「え・・・っ」
「鈴はほんとわけわかんないヤツだよな。てか・・昔からイジワルなんだ。何でも分かってるくせに、ちゃんと言ってくれない」
「てつ・・ひと」
「鈴がそれを知ってたのかはわからない。オレの本当の父親のことをどうして知ったのかも。鈴はおそらくオレに言わないだろうし、オレも聞けない。情けない話だけどな」
ごめん、と哲人が小さく呟く。
「哲人は優しいんだよ」
少し顔を離して直央が言った。
「えっ?」
「オレと付き合うときもそうだったんでし ょ。なかなか本音をオレに言えなかった。その後もオレを本当の意味で受け入れることに戸惑いがあったんだろ?でも、オレと離れることは選択しなかった。オレが哲人を求めたから。・・そして哲人はオレを愛してくれた」
「・・・直央、それは」
「だってオレは哲人が忌み嫌ってたゲイだもの。なのに哲人は受け入れてくれた。哲人はちゃんとオレに踏み込んでくれた。鈴ちゃんも哲人に踏み込んでいたんだよ、幼いころから。でも、哲人は優しすぎたのね。鈴ちゃんを傷つけることができなかったから」
「意味・・わからないよ」
哲人が困惑気な表情になる。それを見て直央は微笑む。
「そういうとこ、オレも・・多分鈴ちゃんも好きなんだよ。だから哲人のために動きたいと思うの。でも、 鈴ちゃんて感情を抑えて計算で動くとこあるでしょ。今は・・たぶんそれで上手くいってるんだよ、鈴ちゃん的には。もう少し待ってあげて、鈴ちゃんを信じて」
「け・・ど」
「哲人も鈴ちゃんが大好きなんでしょ。オレもそう。ゲイだけど・・鈴ちゃんは出会った時から特別な女の子なんだよ。だから二人で答えを見つけよう?鈴ちゃんを助けよう?多分そのために・・」
自分は哲人と出会ったのだろうからと直央は恋人に告げる。
「本気で・・そんなこと思っ・・」
「もちろん愛しているし家族にもなる・・それは二人の総意だしそうなるだけのことがオレたちの間であった。けど、それには鈴ちゃんの存在が不可欠なんだよ。鈴ちゃんを助けることはオレたちのためでもあるんだ」
「いいの ・・か?危ないことの方が多いぞ。だいたい、直央はオレと一緒に車にはねられそうになったんだぞ」
『・・オレの存在はアナタのためにならない。現に危険な目にあわせた。でも・・せめて今晩だけは一緒にいたいんです。じゃないと、オレは安心できない。や、たぶんずっと安心できないんだろうけど』
「ほんとは、今でも安心できない。貴方はすぐ無茶をするから。人にばっか気を使って・・貴方こそ優しくて・・オレは」
『・・諦めが悪いですね。だから、オトコ同士の恋愛なんて嫌なんです。・・確かな未来なんてソレには無いですから』
「今でも・・そう思ってもいるんです。だから焦って・・貴方を困らせてばかりいる」
「ふふ、あの頃と反対ね、オレたち」
「へ ?」
『・・オレはたぶんオマエが思っているようなオレじゃない。確かに守ってもらってばっかだけど、でもオレはオレの知らなかったアンタを見つけられた。それは・・その・・オレをときめかせた』
「けど、前にも言ったじゃない。オレは毎日哲人にときめいてるって。そして今でも甘えてるの。それは・・鈴ちゃんはできなかったことだから」
少し、直央は複雑そうな表情になる。
「なおひ・・」
「でも、それがオレの生きる意味だから。鈴ちゃんの望みは哲人の幸せだもの。そして哲人はオレがいないとダメなんでしょ?だったらオレが頑張らなきゃね。オレだって男だもん。でも、甘えたいとも思うの。オレね、哲人には我儘なんだよ」
「・・・」
「確かな未来は努力しなきゃつくれないんだよ。愛情だけは確実に変わらないけどね。だから哲人は安心して休んで・・」
「一人で?」
「えっ?」
ついおうむ返しにそう答えてしまった直央は恋人の顔を見て表情を変える。
「ご、ごめん!ほ、ほんとはオレも一緒に風呂に入りたかったんだけど、明日の下ごしらえとかやっちゃいたくて・・。だってみんなと料理してたら楽しくて。そんでこういうの哲人に食べさせたいなとか考えちゃって。なんかさ、すっごい奥さんな気持ちになっちゃったの」
別に家事なんかほとんどしたことなかったはずなのにね、と直央は舌を出す。
「母さんが忙しい人でほっといたらご飯食べない人だったからさ。できるだけのことはしてたけど・・でも、哲人と出会ってからの方がオレ頑張ってる 気がするよ。哲人は放ってはおけないんだもの。それは正直意外だったけど」
「・・えっと・・もしかしてオレ・・直央の理想から外れてる?がっかり・・してる?」
『オマエの目的がなんであれ、オレと一緒にいたいと思うなら、その・・少しでもいいから・・抱きしめてほしい。だって、オマエはいいオトコで、オレはゲイなんだからさ』
「ううん、もう!哲人こそオレを信用してない?言ったじゃん、哲人は」
『オレの環境も、本来はアナタと付き合うには適していないんです、本当は。でも、抗いたいとずっと思っていた。アナタと愛しあえたときからその想いは強くなった。アナタを愛せる未来を作りたいと願うようになれた』
「だからオレは」
『わかってる・ ・って。過去の想いは消えない・・けどでも、それを凌駕して余りあるくらい今が幸せ。哲人との未来を考えるのも楽しい』
「毎日一番大好きな人の側にいられて・・それはたぶんオレの母さんも哲人の本当のご両親も叶えられなかったことじゃない。哲人に抱かれる今が・・」
そう言いながら直央は哲人をじっと見つめる。
「ずっと続くことを毎晩祈ってるよ。・・オレの存在が哲人の運命を変えたのかもしれないけどね。それ以上は考えてもしょうがないじゃない?とにかく、オレは哲人の望むその・・可愛い奥さんになりたいもの」
「や・・もう十分可愛いんだけど。てか・・」
「哲人は・・完璧超人てわけじゃないのはこの半年ほどで普通に理解したけど、オレの気持ちは変わらないよ?・ ・そりゃあ鈴ちゃんも涼平くんも惚れるはずだって。哲人はどうしたって素敵な人だもの。・・守るべき人だって」
「!」
「誤解しないでよ」
自分の言葉で相手が顔色を変えたのを見て、直央は哲人の頬に両の手を添える。
「なお・・ひろ・・」
『言ったじゃん、大好きだって。別に、セックスのためのリップサービスじゃないぜ。ただ、カッコイイってのは本当は最初に出会った時から思ってた。千里のことがなければ、最初から好きになってたと思う』
「あの時もそう言ったでしょ。だからオレも素直になれたの。哲人受け入れてくれたじゃん、そのまんまのオレを受け入れてくれたじゃん。哲人の運命に組み込んでくれたじゃん。てか哲人は自慢の彼氏だもん。二人で歩いてたら みんな見るじゃん。哲人に羨望の眼差しを向けるじゃん」
「や、それは・・・」
確かに直央の言っていることの“半分”は同意できる。自分にある意味の付加価値を持たせるために努力はしてきた。自分の存在意義を高めるために。
(だって涼平も鈴も・・。生野だってオレが言ったから音楽を続けたって。・・まあ、それはともかくとして・・ふぅ)
頬を照れのためだけじゃない赤にそめながら想いを告げる恋人の顔を見て哲人は小さくため息をつく。
(この人はいつになったら自分の魅力を自覚してくれるのかなあ。や、オレ的にはその方が安心なのかもしれないけど。けど、何度もオトコに襲われてるくせに)
『直央くん、キミが悪いわけじゃない。キミは・・そういう存在なんだ 。私の知り合いと同じく、キミはある種の人間を引き付ける。キミは一人でいてはいけない。私のようなモノも信用してはいけない。けど・・』
(勝也さんにもそう言われたのに。その言葉の意味を理解していないわけじゃないはずなのに)
『直央くんはいつかとても大切に想える相手と巡り合える。それまでに少し嫌な思いをするかもしれないけど、キミはとても良い子だからその人と幸せにね。そして、今日のことは忘れなさい。私のことも。“あの時のように・・”ね』
(直央の運命の相手はオレのはずなのに。直央を何度も危ない目にあわせてるオレは・・)
「また余計な事考えてるでしょ。哲人は休息が必要なんだよ、だから休・・」
「その前に貴方を補給させてください!」
「はい?え、え・・っと」
「あ・・」
困惑しながらも顔を赤らめる直央を見て、哲人は我知らずニヤケそうになり慌てて相手を抱きしめる。
「あ、貴方が家事をしてくれてるのはとても感謝しているのだけど、やっぱりその・・一緒に風呂は入りたいし一緒にベッドで寝たいし・・どうしてかな、オレはこんなに・・」
自分の感情を素直に吐露できる人間だったのかと我ながら驚く。本当は本人が自分の天然さに気づいていなかっただけで、周りの人間・・幼馴染で遊び相手として哲人の周りに置かれていた鈴や亘祐たちが率先して動いててくれたおかげで行動や生活に不自由を感じなかっただけなのだけれど。
「だからその・・貴方の部屋は・・」
解約して(入居して半年しかたっていないけれど)この部屋で夫婦として住もう・・と言おうとして相手の顔がさっきより赤いのに気づく。
「直央?どうしたの?だいじょ・・」
「うんもう、哲人ってば・・。疲れてるみたいだから今日はその・・自重してほしかったんだけど」
「じ、自重?へっ?あ・・」
何のことかと訝しぐ自分の手が直央によって己の股間へと導かれる。そこでようやく気付く。
「っ!な、何でいつのまに・・ち、違う!そんなこと思っ・・てないわけでもな・・いけど」
慌てて直央から離れようとするが、どうにも身体が動かない。そのうちにも自分の股間だけが膨らんでいくのがわかる。
「ああ・・」
「だって、補給させてってそういうことでしょ?哲人が望むなら・・いいの」
「なお・・ひろ」
「抱いてくれる?」
そう言った瞬間、首筋に温かいものが触れる同時に快感が身体を走る。
「ああっ・・ひ・・いい」
「優しいな、直央は。そんで可愛いの。・・大好きだ。離れてなんかいられない」
キスしながら服を脱がせていく。直央はなされるがままになっていたが小声で「臭くない?」と聞いてくる。哲人は笑って
「別に」
と答える。
「初めて抱いた時からいい匂いだった。正直いって、だからだと思うんだよ、いざとなったら抵抗なく男とのセックスができ たのは」
『バカですか。バカですよね。オトコに下着まで脱がされたのに気づいてないとか。ゲイのくせにお粗末なもんです。・・ああ、アナタのアレもオソマツなモノでした。顔には合っているとは思いますけどね』
「あ、あんなに辛辣なこと言ってたの・・に、やあああっ!先っぽそんなに舌でぺろぺろされたら凄く・・ひやあ・・」
「この声もこんなに可愛いのになぜオレは・・」
『・・もしかして本気でくたばっているんですか?オレ的にはそのまま死んでくれてもかまわないんですけどね。場所がココでなければ』
『しょうがないでしょう、オレが第一発見者になっちゃったんだから。そうじゃなきゃ、本当に死んでてくれてもよかったんですよ 、この建物以外のとこで』
『死んでほしいと思ったのも本気なんですよ。なのに、助けてしまった。・・バカじゃないですか、オレ。嫌いなのに、アナタの前で自分を出してしまう自分が・・バカすぎて、本当は壊したく・・なる』
「本気で好きになったらなったで、命を狙われ続けるオレの側に貴方をおくことが正しいことだとは思えなくて。なのに、ずっと・・」
自分の中に閉じ込めておきたくて気が狂いそうになる時もある。
(鈴との婚約を解消した時点で恋愛は諦めていたのにな)
「哲人・・もっと強く握っていいか・・ら。好きなように・・して。哲人が・・後悔しないように。泣かせたく・・ないの」
「っ!」
自分の顔色が変わるのを見られたくなくてキスしようとしたその顔 を無理やり自分の胸に押し付ける。
「哲人・・苦し・・っ」
「ごめん!このままで・・オレ・・貴方の体温を感じたくて・・どうして・・」
どうしてこの人はいつも自分を幸せにしてくれるのだろう、と哲人は改めて恋人に自分の唇を近づける。
「哲人・・ん・・んん・・・ああっ・・やあ」
舌をねちっこく絡ませながら、哲人は相手の勃立したソレを上下に少し強めにしごく。
「ああ・・ん・・も・・う」
「後ろにも欲しいんですね。下半身をいっぱい舐めながら指でぐちゃぐちゃにしてあげますよ」
「あっ・・は。やあああっ!そ、そこ感じすぎちゃうからあんまり・・んもう哲人のイジワルぅ」
「さっきも言ったでしょう、貴方の可愛い声が聞きたいんだって。本 当に最初から貴方のその声に・・」
『やめろって!そこまでしてほしいわけじゃない・・つうか助けてほしいわけでもねえっての。千里が・・泣く』
「確かにあの時のオレはやり過ぎた。けど、自分のことより・・オレのことより貴方は千里さんの気持ちを最優先した。結果的に“アレ”が亘祐と千里さんが魅かれ合うきっかけにはなったのだけれど・・オレ的には」
と、哲人は照れたように笑う。
「最初はオレの傷をえぐるような感覚しかなかった。貴方が知るはずもなかったことなのに、貴方がゲイで千里さんのことを特別な想いで見てるのはすぐわかったから。オレは3年前の“あのこと”でゲイに嫌悪感を抱いていて・・だから・・」
『両想いだったみたい、オレたち。でも、もうそれは終わったことだから。言い訳だとは思ってほしくないんだけど、オレも千里もお互い以上に愛している相手がいるんだもの』
「貴方のその可愛くて優しい声がオレに向けられるようになるまで、ずっと・・千里さんを意識してたんですオレは。つまり・・嫉妬です。だって、過去の想いは消せないから。でも、貴方は乗り越えてそしてオレを愛してくれた。“過去の記憶は消えていたはずなのに。”」
だからこそ“本物”の恋のはずなのに。
(愛されてるのに、我儘も言っているのに、何でこんなに不安になる・・。どうしてオレはこんなにこの人の身体を求める・・)
「もっとこれも舐めさせてください。ああ、こんなにぴくぴくさせて。最初に抱いたときより敏感になって・・」
「て、哲人だって、なんでそんなに・・オレとしか経験ないはずなのに、何でそんなにうまいの・・ああ!指をそんな風に動かっされたら・・ツライ」
いつもより執拗な哲人の指の攻めに直央はたまらず悲鳴をあげる。が、次の瞬間から再び喘ぎ声が漏れる。
「あっ!あ・・ああ・・いっ、いいのっ!か、感じちゃう・・やあ・・ん、前も・・そこ・・撫でて」
「うん、何でも言って。貴方の願いは何でも叶える。オレの・・この世界で一番愛しい人」
そう言いながら直央のソレを包み込んだ手を離し、代わりに舌を這わす。緩急をつけながら舐めている
と直央がもどかしそうに下半身を揺り動かす。
「も、もっと・・強く吸って・・いいから。もっと・・後ろもぐちゅぐちゅに・・して」
「う・・ん、出してもいいですよ。あなたのタイミングで。もうイキたいんでしょ」
「違う!・・っ!」
突然、直央が大声を出す。
「な、なに!?・・あ、ごめん・・驚いて噛んじゃった。痛かっただろ、直央」
「痛い・・けど、でもそれはどうでもいいの」
そう言いながら直央は自分のそれに哲人の手を再び導く。
「直央?」
「そんな感じでしゃべってくれないと嫌だ。哲人が敬語使うときって、俺になんか遠慮してるでしょ?嫌だよ、そんなの」
「・・・」
「いろんな哲人を俺は知りたいけど、ありのままの哲人を支える気持ちもあるけど 、無理してる哲人は嫌なの。ごめん、これは俺のわがままなんだけどね」
直央はそう言っててへへと舌を出す。
「わがままついでにその・・挿れて」
「・・へっ?」
「だ、だってぇ・・」
困惑する哲人の目に直央のせつなげな表情が写る。
「っ!・・」
「だって、哲人は自分のものを触らせてくれないじゃない、今日は。オレばっかり・・寂しいの。もっと哲人自身を感じたいの。てか・・単純に早くほしいの、俺の中に」
「はあ・・っ」
哲人が大きく息を吐く。
「ごめん、結局直央に気を使わせているよな、俺。遠慮してるわけじゃないけど、いろいろ考えてはいた。なのに・・」
と、今度は哲人が舌を出す。
「て、哲人!?」
思いがけない恋人の仕草を見て、直央は思わずすっとんきょうな声を出す。
「・・可愛い」
「んだよ、それ。まあいいけど、直央が気に入ってくれたんなら」
と哲人は苦笑する。
「・・じゃあ挿れるよ。ほんとはもう我慢できなかった」
「哲人・・キスもして」
「ん・・」
舌を入れつつ、自分のソレを直央の双丘の間にあてがう。
「んん・・ん」
「声・・出したい?」
舌を抜いて代わりに首筋に口づける。直央の体がぶるっと震える。
「やあ・・ん。あ・・ひ・・ああっ!そ・・こ・・・あああ・・やあっ」
「いつもより感じてる?熱くて・・キツイ」
「だ、だって・・哲人の舌がいやらしいから・・。ああ・・ん、もっと奥・・」
「そうだね、もちょっと先に直央が一番感じるところがある」
「やああ・・っ」
少し態勢を直して、もっと深く自分のモノを直央の奥に突き進める。その動きに合わせるように直央の肉壁がうごめく。
「あん、あ・・ん。背中のそこそんな風に触られるとっ・・・ぞく・・ぞく・・しちゃう。あっあっあっ」
「ふふ、やっぱ体中舐めさせてよ」
「へっ?」
「だって・・」
と、今度は乳首を指で転がしながら哲人は囁く。
「美味しいよ、直央は何もかも。この身体を味わってしまったら・・」
まるで魔物の体なのだと心の中で呟く。あれだけゲイを嫌悪していた自分でさえここまで溺れてしまう体を持つ少年が愛しているのは自分だけなのだという事実を、なぜ
(俺は不安に思う?直央は俺で満足してくれているのに。俺の体だって止まらなくて。ずっと感じたくて・・)
「あっあっ・・哲人・・・やあ・・ん。イク・・っ、イッちゃ・・」
「いいよ、イッて。その代わり、俺のは直央が口でイカせてよ。いっぱい触りたかったんだろ?俺のを・・」
「う・・ん。ああ!いい・・・イクっ!ああ!」
To Be Continued
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