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第3話

「これはアオバの物か?」 「あっ! そうです!ぼくのカバンです」 「瑠璃鴉(ルリガラス)の巣にあったのだ」 深い青色の革製のカバンで、作りもしっかりしているが金属部分の仕上げが素晴らしい。これほどの品を手に入れるにはどれだけの対価が必要なのか。 「それほど高価な物ではありません。羊1頭で5つ、ってところでしょうか?」 「!? これ1つで羊5頭の間違いではないのか?」 「ごくありふれた物ですよ?」 アオバの生まれ育った集落とはいったいどんな所なのだろう? 今日もアオバが作ってくれた朝食は美味い。 焼いた鶏肉と雑炊とさらだ、だそうだ。 食べていたら長が柔らかい皮を選んで持って来てくれた。 「これなら使えそうか?」 「はい! ありがとうございます」 「それと、これはドワーフのふく……だったと思うんじゃが、わしのじさまがもろうたもんじゃからよう分からん。使えそうなら使ってくれ」 「何から何までありがとうございます!」 アオバが喜んでいるのが嬉しい。 「長、アオバが金属の道具を欲しがっているのでドワーフの集落へ行きたいんだが」 「ほう! そりゃぁちょうど良い。斧とのこぎりが使い物にならなくなってしまってな。誰かを使いに出そうと思っとったんじゃ」 「ならばアオバの服ができたら行って来る」 「うむ。頼んだぞ」 それからアオバはふくを2日で作り、私の背に乗に乗る練習をした。 初めは怖がってしがみついていたがすぐに馴れ、収まりのいい場所に乗る。しがみつかれて上半身の乳首を強く触られた時は勃起しかけて危険だった。 走りながら勃起したら何かにぶつかって陰茎骨を骨折して子を成せなくなるかも知れない。それに休んでいる時でも欲望に負けて幼いアオバを襲ってしまいそうだから気をつけなくては。 準備を整え、出発の日の朝。 アオバの様子がおかしい。 上気した頬、潤んだ瞳、甘い香り。 こんなに幼いのに発情期(ヒート)が来たのか!? 「リュカ……身体があついよぅ……ぼくどうしちゃったの?」 「大人になったんだ」 「ぼく17歳だよ?」 「12〜13歳じゃなかったのか!?」 「うぅん、17歳。ねぇ、ここもこっちもぬるぬるして…… ぼく病気なのかなぁ?」 「大人になっただけだ。それは子を産むための準備だから心配ない」 ふくを持ち上げる下腹部の物は小さくて、だが硬く張りつめていた。 「あんっ! 触っちゃダメ……」 「だが、苦しいだろう?」 「ん……」 張りつめたものを優しく包み込むと、腰を揺らして擦り付けて来る。動きにあわせて擦ってやるとすぐに精を吐き出した。 より強まるフェロモンの香り。 「リュカ……こっちは楽になったのに、こっちはもっとむずむずするの……」 「すぐにそちらも楽にしてやろう」 両手と両膝をベッドについた姿勢にさせて中を傷付けないようにゆっくりと指を入れる。 柔らかく熱い後孔は濡れそぼり、指1本ではそれほどきつくなかった。だが2本にしたらきつい……。 焦る気持を抑えつけ、ゆっくりと解していくと苦しそうだったアオバの漏らす声が甘くなり、余裕が出て来たようなので3本に増やす。それを繰り返し4本入った頃にはアオバは3度目の射精をしていた。 「きもちい……のに……もっともっと……ってぇ……」 「私も限界だ。アオバ、私を受け入れてくれるか?」 「ん、欲しい……リュカ……来て……」 ケンタウロスのままではアオバを押しつぶしかねないので変化(へんげ)を試みた。成功だ。 だがあれだけ解したのにまだきつく、苦しそうだ。1番張りだした部分がなかなか入らない。 「リュカ……変身できたの……?」 「変化(へんげ)は……運命の番いがケンタウロスでなかった場合に相手の種族に近い形になれる術だ。……アオバ、苦しいか?」 「うん、苦しい……けど、リュカも苦しいでしょ?」 「あぁ、正直、きつい。そうだ、ちょっと脚を閉じてくれ」 「えっと…こう?」 思った通り、アオバの脚は柔らかくてすべすべで気持が良い。 数回擦っただけで強烈な射精感に襲われ、私はアオバの後孔に押し付けながら白濁を吐き出した。 そして全く萎えない屹立を押し当てると、先ほどより滑りが良くなってようやく先端がアオバの中に納まった。 「くる……し……」 「あぁ、すまない」 初めて触れる滑らかなうなじに舌を這わせ、小さな乳首を優しく撫でながらもう片方の手でアオバのペニスを撫でると後孔の緊張がほぐれ、少しずつ進み始めた。 「ひぁんっ! そこ、やぁっ!」 少し入った所で甘い声をあげて身を震わせ、可愛らしくイヤイヤする。 「辛いのか?」 「ふぅっ……そこ……変な感じが……してっ……!」 「そうか、なら早く通り過ぎよう」 できるだけ優しくそう言って、また更に奥を目指すと、4分の3入った所で行き止まりになった。行き止まりを軽く突くと可愛く身悶えた。 うなじや背中に口づけを落とすと、その度に内部が収縮、弛緩する。 馴染んだようなので様子を見ながら小刻みな抽送を始めるとリズムに合わせて腰が揺れ始めた。少しずつストロークを大きくする。 「リュカ! リュカ! 何かくる…… ぞわぞわして熱い何かがぁ……」 「ああ、私もだ。同じだから安心してくれ」 「おんなじ? リュカも?」 「同じだ。こんな快感は初めてだ」 「あっ、きゃっ、ふぅぅぅぅぅっ!」 「くっ! アオバ、愛している!」 それから丸2日、アオバの求めるまま何度も交わった。発情期(ヒート)とはこれほど幸せなものなのか。 発情期(ヒート)が終わったのが分かったのか、長が訪ねてきた。 「発情期(ヒート)が終わったばかりでドワーフの里に行くのは辛くないか?」 「私は大丈夫だし、アオバは私が運ぶから問題ないだろう」 「まぁ、無理のない程度でな」 「…んん…」 アオバが目覚めそうな気配で長が(いとま)を告げる。 「アオバ、身体は大丈夫か?」 「リュカ……? あの……ぼく……」 一気に顔が赤くなり、視線を彷徨わせて何か迷っているようだ。 「どうした?」 「く〜〜きゅるるるるぅ〜」 1日に3度食べるアオバが2日も食べていないのだ。空腹を訴えるのは当然だ。 「すぐに栄養価の高い果物を用意しよう。雑炊も作ってみようか」 「あの……ぼく……夢を見てたみたいで……それで、何でふくを着てないのかな、って……」 「身体が熱いと言って脱いだのを覚えていないか?」 「……えっと……」 「発情期(ヒート)が来てここが苦しい、と教えて助けを求め……」 「そそそそれ! あのっ!? ……夢、じゃ……ないの?」 「あれほど私を求めてくれたのは間違いだったのか……?」 「!! だっ、だって…… まだ、会ったばっかりでリュカの事、どれくらい好きか分からないし……」 「私はアオバだけを愛している。他の誰も要らない。アオバは違うのだろうか?」 運命のつがい以外を選ぶつもりなのか……? 「私以外に愛する者がいると言うなら……そう言ってくれ」 「他に好きな人がいる訳じゃないです! それに……リュカも好き……だし……ただ……」 「ただ?」 「……ただ、欲望に流されて相手を求めるなんて、はしたないって言うか……」 「発情期(ヒート)に抗える者など存在しない。まして、運命の番いと出会っているんだ。捻じ曲げれば気がふれる」 「そっ!? ……そうなの?」 「そうだ。だからアオバは身を守るために本能に従ったのだ」 「……ぼくがはしたないんじゃ、ない……?」 「この世の掟だ」 はしたないとは、稀に存在する運命のつがいだけでは満足できず複数の相手を求める者の事だろう。私1人をいくら求めた所ではしたなくなどない。 それに何より愛らしかった。 「身体が大丈夫ならドワーフの里へ行こう」 「立てる気がしません」 「治癒師を呼ぼう」 「休めば治りますから!!」 何か恥ずかしがっているようなので薬だけもらって来た。まずは果物を食べさせてその間にぞうすいを作る。 美味くできた気がする。 「アオバ、ぞうすいができたのだが、食べられるか?」 「ありがとう、いただきます」 熱くないようにふうふう息を吹きかけて口に運んでやると、はにかみながら口を開ける。 「おいしい……リュカはすごいね。1度見ただけでできちゃうなんて」 「だが、1度は作り方を見せてもらわなくては無理だ」 「じゃあ、色々作ります」 眩しい笑顔でそう言ってくれた。 これからの幸せな暮らしを思い描く。 アオバがずっと笑顔でいられる未来を。

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