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それは違う19※

「どうして岩館さん?あの人なんか、全然関係ない」 「給湯室でいちゃついてたでしょ」 修平が含み笑いと共に呟く。 拓斗は唖然とした。 そんなことまで、どうして? 「見てたの?」 「通りかかっただけ」 「あれは、」 修平が昼間、変な薬を使ったのが原因なのだ。アレのせいで体調を崩していたのだから。 「いいよ、別に。あなたが誰と寝ても。俺は気にしない。むしろあなたは……」 修平は言いながらこちらの顔を両手で包んできた。 「他の男も試してみた方がいい」 拓斗は目を丸くした。真剣そのものの表情で自分に囁く修平の、その言葉の真意が分からない。 ……それ……どういう意味?他の男も試すって 「なに……言ってるの?修平、それ、どういう…んっ、んぅっ」 唇を塞がれた。さっきの甘いキスじゃない。いきなり欲情を押し付けてくるような、噛み付くような激しいキス。 強引に唇を割られ、舌をねじ込まれた。拒もうとすると両手の指で無理やりこじ開けてくる。指を差し入れられ噛むわけにもいかず、開くと舌が深く潜り込んでくる。反射的に奥に引っ込めようとした舌を絡め取られた。 「んっ、っふ、んぅ、……っんぅ」 半ば抗議するように鼻から漏らした鳴き声は、キスが深まるうちに甘さを滲ませていく。 修平のキスはセックスそのもののように、エロくて気持ちいいのだ。誤魔化されているのは分かっていても、快感に引きずられ抵抗を封じられる。 いつしか拓斗は夢中になって、彼の舌を吸っていた。訳の分からない彼の言葉などどうでもよくなっていく。 気持ちいい。下腹がじわりと熱くなる。 それを見透かしたように、修平の手が下に降りていって、ワイシャツの薄い布地越しに胸をまさぐり始めた。 乳首がすごく感じるようになったのは、修平にいろいろされたせいだ。乳首だけじゃないけれど。 「んっんぁ、…やっしゅう、んむぅ…っ」 布地と一緒に尖りを摘まれ、きゅっきゅっと引っ張られる。痛い。でも気持ちいい。抓られる痛みの後に、じわんじわんと熱っぽい痺れが奥に広がっていくのだ。何度も何度もしつこく繰り返され、拓斗は喘ぎながら身を捩った。 修平が唐突に唇を離し、吐息だけの笑いを漏らす。 「その目…いいよね。あなたのそういう顔、好きだな……すごく、色っぽい」 囁く修平の声も低く掠れて男の色気が滲む。耳から秘めやかに忍び込んできた声に、頭の中を掻き回される。 「や…、…んや、しゅ、…んんぅ…っ」

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