44 / 164
それは違う19※
「どうして岩館さん?あの人なんか、全然関係ない」
「給湯室でいちゃついてたでしょ」
修平が含み笑いと共に呟く。
拓斗は唖然とした。
そんなことまで、どうして?
「見てたの?」
「通りかかっただけ」
「あれは、」
修平が昼間、変な薬を使ったのが原因なのだ。アレのせいで体調を崩していたのだから。
「いいよ、別に。あなたが誰と寝ても。俺は気にしない。むしろあなたは……」
修平は言いながらこちらの顔を両手で包んできた。
「他の男も試してみた方がいい」
拓斗は目を丸くした。真剣そのものの表情で自分に囁く修平の、その言葉の真意が分からない。
……それ……どういう意味?他の男も試すって
「なに……言ってるの?修平、それ、どういう…んっ、んぅっ」
唇を塞がれた。さっきの甘いキスじゃない。いきなり欲情を押し付けてくるような、噛み付くような激しいキス。
強引に唇を割られ、舌をねじ込まれた。拒もうとすると両手の指で無理やりこじ開けてくる。指を差し入れられ噛むわけにもいかず、開くと舌が深く潜り込んでくる。反射的に奥に引っ込めようとした舌を絡め取られた。
「んっ、っふ、んぅ、……っんぅ」
半ば抗議するように鼻から漏らした鳴き声は、キスが深まるうちに甘さを滲ませていく。
修平のキスはセックスそのもののように、エロくて気持ちいいのだ。誤魔化されているのは分かっていても、快感に引きずられ抵抗を封じられる。
いつしか拓斗は夢中になって、彼の舌を吸っていた。訳の分からない彼の言葉などどうでもよくなっていく。
気持ちいい。下腹がじわりと熱くなる。
それを見透かしたように、修平の手が下に降りていって、ワイシャツの薄い布地越しに胸をまさぐり始めた。
乳首がすごく感じるようになったのは、修平にいろいろされたせいだ。乳首だけじゃないけれど。
「んっんぁ、…やっしゅう、んむぅ…っ」
布地と一緒に尖りを摘まれ、きゅっきゅっと引っ張られる。痛い。でも気持ちいい。抓られる痛みの後に、じわんじわんと熱っぽい痺れが奥に広がっていくのだ。何度も何度もしつこく繰り返され、拓斗は喘ぎながら身を捩った。
修平が唐突に唇を離し、吐息だけの笑いを漏らす。
「その目…いいよね。あなたのそういう顔、好きだな……すごく、色っぽい」
囁く修平の声も低く掠れて男の色気が滲む。耳から秘めやかに忍び込んできた声に、頭の中を掻き回される。
「や…、…んや、しゅ、…んんぅ…っ」
ともだちにシェアしよう!