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それは違う27※
「んんんぅ……んっんっ」
身体の奥で、絶え間なく無機質なものが蠢いている。
拓斗は鼻からよがり声を漏らして、腰をくねらせていた。
「どう?それもネットで取り寄せた新しい玩具。拓斗は絶対に気に入ってくれると思ってたんだけど」
修平が優しく、頭を撫でてくれる。声もすごく柔らかい。
下腹はずっと甘く痺れて昂り続けている。
熱はあがる一方で、シリコンで射精管理されたペニスは、痛いほど勃起したまま腰の動きに合わせてフルフルと揺れている。
修平が手元のリモコンをいじった。
中で蠢く玩具が、うねる角度と強さを変える。
「んんんっふ、んぐぅ……っ」
別の新たな波が押し寄せてきて、腰が勝手に前後に大きく揺れた。
イキたいけどイケない。
目の前が赤くなったり白くなったりする。
気持ちいい。苦しい。でも気持ちいい。
もっともっとグチャグチャにして欲しい。
拓斗はおねだり出来ない口の代わりに、震える指で修平の腕を掴む。ぎゅっと爪を立てると、修平はうっとり笑ってくれた。
「悦んでくれてるんだ?よかった」
また優しく頭を撫でられる。嬉しい。
でも、今は優しくされるよりも、めちゃくちゃに抱いて欲しい。無機質な玩具なんかではなく、修平の生のモノで腔を掻き回して欲しくて堪らない。
「乳首。もっと感じるようにしてあげようか」
修平はわざと焦らしてる。そっちじゃなくて……
不意に、ビクンっと上半身が大きく跳ねた。
修平が手に持った何かで、胸の尖りを摘んだのだ。鋭い痛みの後に、じんじんと痺れていく。
必死で胸に視線を向けると、ピンク色の洗濯バサミのようなものが見えた。自分の両方の乳首をそれが摘んでいるのだ。
「これね、スイッチ入れると震えるから。あなたの乳首、もっと感じるようになるよ」
くすくす笑いながら修平がスイッチを入れた。
「んんんぅ……っんぅ」
思わず首を仰け反らせた。ビリビリくる。気持ちいい。挟まれている痛みすらも心地よく甘く痺れていく。
「ほら。気に入ったでしょ?」
付き合っていた頃から、修平がこういう怪しい玩具を好むのは知っていた。実際、えっちの時に使われたし、ネットで注文する時に一緒に選んだこともある。でも、こんなにいろいろ揃えていたなんて、初めて知った。
自分は何か間違った選択をしているのではないか。今日、修平に誘われてのこのこついてきたのは、ダメだったのじゃないか。
小さな不安はずっと付きまとっている。
でもそれも、媚薬に侵された頭ではキチンと考えることが出来ない。
今はただひたすら、修平のくれる快感を渇望していた。
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