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それは違う47※
修平に強引にされるのは嫌じゃない。
むしろ、すごく好きだ。
求められていると、強く実感出来るから。
欲情している、自分に。
欲しがってくれている、この身体を。
そう感じれば感じるほど、身体の奥にじわっと熱が灯る。
もちろん、相手が誰でもそうなるわけじゃない。修平だからこそだ。
お互いの荒い吐息がもつれ合う。
キスだけで身体がどんどん熱くなる。
その先を欲しくて、堪らなくなる。
修平の膝が動いて、スラックスの上からソコを嬲られる。
ダメだ。
そんな風に擦られたら、勃ってしまう。
「んん…っんぅっ、っん」
いやいやと首を振ると、唐突に唇を外された。
怖いくらいの強い眼差しで、見つめられる。
獲物を狙い定めたようなキツい目。
怖い。でも、ゾクッと感じてしまった。
「キスは嫌?」
拓斗は首を横に振った。
「じゃあ、好き?」
コクコクと頷く。
「でもお預けだ。出掛けられなくなるから」
思わずもっとねだりたくなって、縋るような目をしてしまった。修平は満足そうに笑って指先で唇をなぞると
「後で。あなたの部屋で、続きをしよう?」
拓斗は無言で頷くのが精一杯だった。
修平が明日着るスーツやワイシャツを準備している間、拓斗はぼんやりと椅子に腰掛けてその様子を目で追っていた。
アパートに帰るといつも真っ先にする着替えは、拓斗の部屋に行ってからやるつもりなのだろう。今日来ていたスーツとワイシャツだけ脱いで、別のワイシャツとスーツを着込むと、ナップザックに部屋着と下着などを詰め込んでいる。
ここに泊まれと言わないのは、恐らくうちに、ちびがいるからだ。昨日の失敗があったので、気を遣ってくれているのだろう。
平日の仕事帰り、しかも残業で遅くなった日に、こんな手間を掛けてでも自分のアパートに泊まりたがる、修平の真意が分からない。
言葉でハッキリと聞いたわけではないが、これは別れ話を撤回して、元に戻ったということなんだろうか。
別れて自分が後悔したように、修平も後悔しているのだろうか。
だからこうして誘ってくれている?
もしそうなら、自分は修平ともう一度やり直したいのか?
……答えはYESだ。
自分はもう一度、修平と恋人に戻りたい。
修平が言うように、付き合い始めの時の熱っぽさはなくなってしまっていても、傍にいるのが当たり前みたいな、そんな自然な関係になれるのなら……。
「どうした?行くよ」
「あ。うん」
声を掛けられ、拓斗は立ち上がった。
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