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トライアングル14※

だいぶマシにはなってきたが、さっきの媚薬の効果は完全に抜けきっていない。尻の奥がムズムズと疼いていて、熱っぽい。 会社でこれを使われた時も、抜けきるのにだいぶかかった。今は少し治まっているが、後ろだけじゃなく前も疼いているのだ。 「リクライニング。倒して横になってれば?あなた、まだちょっとぼーっとしてる」 「あ……うん」 急に気遣われて、内心ドキッとした。 ムズムズしているのがバレたのかと思ったのだ。こんな状態のまま、ほぼ初対面に近い状態の修平の弟に会う。大丈夫だろうか。翡翠の心配以上に、そのことが不安だった。 拓斗はリクライニングを倒すと、身を乗り出しながらキャリーケースを後部座席に置いて、ベルトで固定した。そして修平に背を向ける形でシートに横になる。 このまま本当に眠ってしまおう。 少し寝れば、薬の効果も消えるかもしれない。 夢を見ていた。 夢の中で自分は全裸で、男に抱かれている。 最初はベッドに横たわっていたはずなのに、いつのまにか檻のような所に入って、柵に両手を繋がれていた。 男は自分のペニスを口で嬲りながら、その下奥の窄まりに指を出し入れしている。恥ずかしいほど感じて甘えた鳴き声がひっきりなしに漏れる。両脚の太ももで男の頭を挟んで、自ら腰を揺らめかせていた。 もっと大きなものを咥えたくて、指を食い締めながら収縮するソコに、男はくすくす笑って「欲しいのか?」と低い声で囁く。 その声は修平のようで、佐々木の声にも聞こえた。いや、知らない男の声のような気もする。 「やだ…」答える自分に、男はますます笑って「欲しいくせに」囁きながら身を起こした。 違う。修平じゃない。知らない男だ。 驚いて閉じようとする足を、男の長い指が掴まえて逆に左右に大きく開く。 「やだっ、やめて…」叫んだはずなのに、か細い声しか出ない。男は両脚を肩に軽々と担ぎあげて、猛りたったソコを窄まりに押し当てた。嫌だ。 悲鳴をあげて飛び起きたつもりだったが、声は出ていなかったらしい。 ビクッとなって目を開けると、目の前に修平の顔があった。 心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしている。夢を見ている間中、これは夢だと思っているもう一人の自分がいた。

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