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トライアングル33※

身体の奥でくぐもった振動音をたてていたローターが、すぽんっと抜ける。急に音が大きくなったそれに、ヒヤリとした。 この部屋に来てからどれぐらい経ったのだろう。ここの物音は下の階の紘海には聞こえないんだろうか。少しだけ戻った理性で、ぼんやりとそんなことを考えていた。 「拓斗?いれるよ?」 耳の後ろから囁かれて、ぷるぷるっと身体が震えてしまう。期待が一気に高まって、理性が呆気なく霧散していく。 「んぁ…しゅへ、…はやく…」 つい焦れて甘ったるくねだってしまった。ローターの刺激がなくなった奥が、別の楔を求めて疼くのだ。 修平は吐息だけで笑うと、いったん身体から離れた。だがこちらが不安に思うより早く腰をガシッと鷲掴みにして、尻の狭間に硬いモノを押し当ててくる。 ようやく修平とひとつになれる。 無機質な性具が作り出す悦楽よりも、好きな人と繋がる悦びの方が、身体だけでなく心も満たされる。 ……修平……好き……。 別れてから抜け殻のようになっていた心が、甘いもので満ちていく。 やっぱり自分は修平が好きなのだ。 ぐっぐっと窄まりを割り開き、熱芯が潜り込んでくる。いつものように焦らさずに、ぐいぐいはいってくるのは、きっと修平も興奮して余裕がないのだろう。 拓斗はお尻を更に突き出し、脚を広げた。空虚になっていたソコがみっしりと埋まっていく。ローターよりも太いモノを受け入れて、でも苦しいよりは気持ちいい。まだほんの先端なのに、甘い痺れがいく筋も駆け抜けて、気持ちよくて堪らない。 「んぅ…っん、んぅ……っ」 拓斗は呻きながら身を捩った。 修平が押し引きを繰り返す度に、じわりじわりと甘く痺れていく。薬とローターでぐずぐずになった中が、狂おしく収縮して侵入する楔を貪欲に咥え込んでいく。 修平が、重い吐息を漏らした。 感じているのだ。修平も気持ちよくなってくれている。 拓斗は込み上げてくる喘ぎを必死に押し殺しながら、自らも腰を動かした。 もっともっと奥を掻き回して欲しい。ガツガツと突いて欲しい。 「んあっ、んんんぅ…っ」 拓斗は畳を指で掻きむしり、尻を更に突き出した。ぐぐっと押し込んでくる修平の動きと重なって、粘膜を擦りながら一気に奥まではいってくる。 「あっは、…ああんっあー…っ」 ズシンっと修平の下腹が尻にあたった。 根元まですっぽりと収まったのだ。 隙間なくみっちりと、自分の中が修平でいっぱいになる。 ……ああっ、すごい…っ 身体の奥がさざ波のようにわなないた。 ドクンドクンと感じる鼓動が、自分のものなのか修平のなのか、わからない。

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