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トライアングル34※
「拓斗、動くよ」
耳元で修平が吐息のように囁く。それだけでぞくぞくっと駆け上がってくる甘い痺れに、拓斗は思わず喘いだ。
「んぁ…しゅへ、い……っ」
ずっしりと体重をかけてのしかかってくる彼のモノを咥えて、拓斗は堪えきれずに腰を揺らした。ず…っず…っと摩擦する熱の棒が生み出す悦びに満たされていく。
……ああ…っいい、……っきもちい…っ
ローターなんかとは比べ物にならない。
修平がじわりじわりと腰を動かし始めた。
まだ挿入されたばかりなのに、感じ方が凄い。
ギリギリまで引き抜かれた楔がずず…っと奥へ潜り込んでくる度に、まるで獣のような呻き声が溢れてしまう。
恥ずかしい。でも、気持ちいい。
もっともっと乱暴に突きまくって欲しい。
「ふふ。あなた、声が大きい。抑えられない?」
また耳元で楽しげに囁かれて、拓斗は慌てて自分の口に手をあてた。
「いいよ。もっと鳴いても。紘海が覗きに来たら、見せつけてやればいい」
少し荒い吐息混じりに修平が囁いた。
そんなこと、無理に決まってる。
こんな恥ずかしい姿を、修平以外の人間に見られるなんて。
心ではそう思っているのに、羞恥心が更に身体の熱をあげる。
「っく、こら、締めすぎ。ちょっと、ゆるめて」
思わず修平のモノをきゅうきゅうと締め付けてしまったのだ。拓斗は、はぁはぁと息を吐き出し、必死で奥の力をゆるめた。
「感じたの?紘海に見られるかもしれないって思って。あなた、本当に好き者だな」
揶揄われても反論できない。
たぶん修平の言う通りだ。
「声、堪えてね」
修平はもう一度念を押すように囁くと、腰の動きを大きくした。突き入れられると意識が押し出されるように白く霞む。
ダメだ。自分の甘い喘ぎ声が遠くなったり近くなったりする。
「んあっ、んんぅっ、あ、あ、ああ……っ」
口を押さえていた手が勝手に外れて、目の前の畳を掻きむしってしまう。
……いいっ、いい……っ、頭、おかしくなる…っ
感じすぎて怖い。
「いいよ、……っ拓斗、あなたのなか、すごく、気持ちいい」
修平がうっとりと呟く。
その言葉に、昂りきった熱に押し流されるように、一瞬、ふわっと意識が遠のいた。
……イくっ、だめだめ、イッちゃう……っ
放出する為の出口は塞がれたままだ。激しくうねる灼熱の奔流が、出口を求めて逆流する。
「んあっ、あ、ああっ、やぁ…っ、だめ……っっっ」
ものすごい声をあげてしまった。
身体がぶわっと浮き上がる。
修平のトドメのひと突きに、出せないままでのぼり詰めていた。
「……っく」
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